限界女性契約社員、薄給リーマン…ケース別!新NISAで貧乏脱出大作戦!老後2000万円問題解決最短最速安全ルート

 「老後には2000万円が不足する」とも言われている中、資産1億円を達成してFIREを果たした「おけいどん」こと桶井道氏が資産形成のために勧めるのが「新NISA」だ。本記事では、お金に余裕がない若者でも新NISAを活用して資産を形成する方法について、桶井氏が具体例を挙げながら解説する。 

※本記事は『お得な使い方を全然わかっていない投資初心者ですが、NISAって結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)から抜粋、再構成したものです。 

目次

2000万円分の年金を自分の手でつくろう

 新しいNISAをどのように活用 すれば「じぶん年金」をつくれるのか、モデルケースで見ていきます。   

 老後の生活費について公的年金では足りないとされる金額は、およそ2000万円です。月額では約5万円が不足します。NISAを使った資産運用を通じて毎月5万円の手取り収入を生むことができれば、それが「自分で用意する、自分のための年金」=「じぶん年金」となってくれるでしょう。  

① 20代前半でスタートするAさんの場合    

 まずは20代前半の若いうちからNISAを活用していくAさんのケースです。  

 大学を卒業し新社会人となった22歳から、新しいNISAを活用して投資していきます。とはいえ年齢が若い分、給与額もまだ低く、初期には投資に回せる金額はさほど多くありません。 

 しかし、心配無用です。長期投資は時間を長く取れれば取れるほど、「複利」の効果が効いて勝率が上がっていきます。 

 Aさんは新しいNISAの「つみたて投資枠」を最大限に活用して、62歳になるまで毎月3万7500円を積み立てていくことにしました。3万7500円×12か月×40年=1800万円なので、40年間一定額を単純 に積み上げていくだけで、非課税保有限度額(総枠)(=生涯の投資上限額) 1800万円を使い切ります。「成長投資枠」は利用せず、すべて「つみたて投資枠」に割りあてる作戦です。 

 また、投資先には分配金をファンド内で再投資するタイプの投資信託を選択します。積み立てている資産を年率5%で複利運用できたと仮定した場合、62歳でNISAの非課税枠を使い切ったときの資産額は、簿価(購入時の価格)では1800万円ですが、評価額では5722万円にもなっています。   

 ただし、この時点では「つみたて投資枠」で育てた資産は、分配金を再投資するタイプの投資信託です。そのままでは「じぶん年金」として毎月の生活費に利用できません。   

 少しずつ売却していけば非課税で現金化することはできますが、それは少し面倒ですし、タイミングによっては不景気で価格が暴落しているときに取り崩すことになるかもしれず、心理的な抵抗が生じます。 

 たとえば、暴落とまでは言えずとも、1か月で5%の下落があったとしましょう(これくらいの価格下落はたまにあります)。5722万円の5%は 約286万円です。1か月で286万円が消えた状況下で、さらに1か月分の生活費を平常心で取り崩すことは、ほとんどの人にとって困難です。  

 そこでAさんは、62歳になった時点で、「つみたて投資枠」で運用していた資産を順次、日本株の高配当銘柄(個別株、もしくは東証ETF)にシフトさせていく計画を立てました。それらの銘柄が生む 配当金や分配金を、老後の「じぶん年金」として利用するつもりです。

 新しいNISAで非課税になる「成長投資枠」への投資額は毎年240万円まで、非課税保有限度額(総枠)(=生涯の投資上限額)は1200万円です。そのため、「つみたて投資枠」で投資してきた1800万円分(簿価ベース)のうち1200万円分(簿価ベース)を、およそ5年かけて「成長投資枠」に移行させます。

 投資先は高配当で業績が安定している優良大型株に分散させるか、東証ETFの日本または米国の高配当株に投資するタイプを選び、平均で配当利回り4%の実現を目指します。

 配当利回り4%を実現できれば、「成長投資枠」の1200万円の資産から、毎年48万円の配当金や分配金が非課税で得られます。

② 8年間でサクッと「じぶん年金」を確保する        

 続いて、短期間の集中投資で効率的に「じぶん年金」をつくり出そうとしているBさんのケースです。   

 Bさんは結婚して子どもが生まれるまでに、ある程度の資産をつくって おきたいと考えていました。そこで、新しいNISAの「つみたて投資枠」を利用して、新社会人となった22歳から30歳になるまでのあいだ、多少の無理をしてでも毎月5万円を投資信託に定期的に投資していくことにし ました。 

 つまり8年間の集中的な積み立て投資です。30歳くらいには結婚して、1人目の出産があると想定しています。 積み立て中に年率5%で複利運用できたと仮定すると、30歳の時点で588万円の資産形成ができます。 

 Bさんは子ども好きで、3人くらいはほしいと思っているので、出産後は当分、投資にお金を回すことは難しいでしょう。集中的な積み立てでつくった588万円を、多少生活が苦しいときがあっても我慢して取り崩さず、そのまま60歳になるまで年率5%で複利運用し続けます。 

 その結果、NISA口座で588万円をほったらかしにしているだけなのですが、30年後にはその588万円が2627万円にまで成長します!複利の力は、本当に偉大ですね。アインシュタインも「複利は人類最大の発明だ」という言葉を残しています。 

 それはそれとして、先ほどのAさんのように、Bさんが2627万円を60 歳時点でNISAの「成長投資枠」や、非課税ではない特定口座に移して高配当の日本株(東証ETFでも可)に分散投資すれば「じぶん年金」も確保できます。 

 8年間の集中投資だけでも、そのあとに複利効果が顕著になる長期間の運用と、余計な税金がかからないNISAの強みを組み合わせれば、老後資金の不足に十分対応できるわけです。 

③ 30歳から月2万円を積み立てるCさんの場合   

 もう1つ、毎月の積み立て投資に回せる資金をそれほど多くは用意できないケースを見てみましょう。Cさんは契約社員をしている30歳女性です。収入面から考えると、毎月投資に回すことができるのは2万円が限界です。 

 それでも、やらないよりはいいと思い、新しいNISAを活用して65歳まで積み立て投資を実施することとします。「つみたて投資枠」を利用し、投資先にはここまでの例と同じく分配金を ファンド内で再投資するタイプの投資信託を選びます。この場合、老後生活に入る前にどれくらいの金額を用意できるでしょうか?  

 投資元本は2万円×12か月×35年=840万円なので、65歳時点で840万 円です。しかし、積み立て投資のあいだずっと年率5%で複利運用できたと仮定すれば、65歳時点での評価額は2272万円にまで成長しています。 投資元本に対するリターンは約2.7倍です。65歳以降、その2272万円を「成長投資枠」 や特定口座に移して高配当の日本株(東証ETFでも可)に分散投資すれば「じぶん年金」も作れます。 

 月額2万円の少額投資であっても、35年間という長期間続ければ、複利効果を味方につけて「老後2000万円問題」をクリアできることがわかります。Cさんのように契約社員など不安定な状態にあったとしても、できる範囲でNISAを上手に使いつつ長期投資していけば、十分に老後不安を解消できるでしょう。

『お得な使い方を全然わかっていない投資初心者ですが、 NISAって 結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)

*11/7 一部内容を訂正しました。

この記事の著者
桶井道

桶井 道/おけいどん 投資家(投資歴20数年)・物書き。2020年秋に47歳で資産1億円とともに約25年間勤務した会社を早期退職。日米を中心に世界の増配株、高配当株、リートおよびETFにて資産運用。単行本出版、コラム連載および寄稿などメディアで活動、ブログも運営している。父親を介護し、「子ども食堂」のボランティアもしている。 【ブログ】 おけいどんの適温生活と投資日記 https://okeydon.hatenablog.com 【X(旧Twitter)】 @okeydon 【著書】 (1)今日からFIRE!おけいどん式 40代でも遅くない 退職準備&資産形成術/宝島社 (2)月20万円の不労所得を手に入れる! おけいどん式ほったらかし米国ETF入門/宝島社 (3)お得な使い方を全然わかっていない投資初心者ですが、NISAって結局どうすればいいのか教えてください!/すばる舎 (プロフィールイラスト/西田ヒロコ)

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