「1ドル90円時代到来」国際金融アナリストが過去5回の円高トレンドから警鐘…”円安は完全終了”
世界の投資家に「石炭」を投げ込んだ日銀の金利政策修正
日本は、世界中の投資家に「石炭」を放り込んだ――。2022年12月20日、日本銀行が20年にわたる政策を転換したことを受けて、米CNNは『日本は、世界中の投資家に「石炭」(a lump of coal)を放り込んだ』『クリスマスに大きな石炭(big coal)を受け取った』と形容して、大々的に報じた。
日銀は、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の運用を見直し、長期金利の変動許容幅を「プラスマイナス0.5%程度」と従来の「プラスマイナス0.25%程度」から拡大したのだ。日銀はまた、日本国債の買い入れを従来の7兆3000億円から毎月9兆円に増やすとしている。
日銀が「微修正」だと評価するこの政策転換によって、円は対米ドルで4カ月ぶりの高値となつた。1日の動きとしては過去24年間で最大の急騰であり、世界の株式・債券取引に大混乱を引き起こした。将来の利上げに道を開くこの「微修正」は「世界的なインフレがまだ轟々(ごうごう)と激しく続いており景気後退は避けられない」という投資家の不安を煽(あお)るものであった。