725万円の差! 手作り弁当派vs外食ランチ派の衝撃的資産推移「1年後、5年後、10年後」
外食派は、手作り弁当を作れば毎月7070円を節約できる
総務省の家計調査を見ると、消費支出のおよそ4分の1が食費。 だから節約を考えるとき食費は最重点項目の一つである。
そして食費の中で最もメスを入れやすいのが昼食だ。
非正規比率の高い女性の場合、半数以上の人が「手作り弁当」を作っているそうだから、外食ばかりしている男性も手作り弁当にシフトして倹約してみるのはどうだろう。
新生銀行グループが2020年に実施した調査によると、お昼の外食は1食平均585円(男性社員)または583円(女性社員)だった。
一方、手作り弁当の費用は株式会社ニチレイフーズの調査(2018年)によると1食平均231.5円。手作り弁当は外食の半額以下で収まっていることが分かる。
半分以下と言っても1食だけで見ると削減額はわずか351.5~353.5円。しかし弁当作りが習慣化すると、これが大きな違いになってくる。
例えば男性社員の場合、月に20日間働いたと仮定すると、全て外食の場合の1カ月の昼食費は1万1700円。全て手作り弁当の場合は4630円。両者の差は7070円だった。
1年後、5年後、10年後…。手作り弁当で貯まる金額は?
手作り弁当と外食との差額を貯金した場合、1年で8万4840円、5年で42万4200円。10年で84万8400円を貯めることができる。
さらに新卒入社から定年退職(23歳から65歳)まで男性社員がずっと手作り弁当で済ませた場合、なんと364万8120円も貯金できることが判明した。
これを元手に運用すると
年1.5%で運用(複利) | 507万2752円 |
年3.0%で運用(複利) | 725万2453円 |
に増やせる。
つまり23歳から65歳まで43年間ずっと昼食代を節約し、その分を資産運用すれば、老後資金2000万円のうち4分の1から3分の1くらいは作れる計算になる。
ちなみに1日500円(月20日)を節約して貯蓄し年3%(複利)で運用した場合、43年後に1025万8067円の資産が作れる。これだけで必要とされる老後資金の半分になるから、まさに継続は力なり。コツコツ運用すれば金額はどんどん大きくなるのだ。
四半世紀続いている我が国の企業優先政策が変わらないとすると、今後インフレが進む一方で、預貯金金利や実質賃金はそれほど上がらないことが予想される。
また今後はデフレを前提としたライフプランのままでは老後資金が絶対に不足する。賢くやりくりして投資資金を増やし、将来に希望を持てるようにしたいものだ。
毎日続けるのが無理という人はどうしたらいい?
「継続は力なり」という言葉のとおり、毎日少しずつ節約すれば大きな資金を手にすることができるが、弁当を毎日手作りするというのは簡単なことではない。
先ほどのニチレイフーズの調査によれば、47都道府県のうち最も弁当を作らない東京都の場合「週4~5回以上≒平日ほぼ毎日お弁当を作る」という人は17.8%しかいない。最も弁当を作る県(福島県)でも「ほぼ毎日」という人は32.5%に留まっているので、地道にお弁当を作り続けることは、かなりど根性のある人じゃないと不可能と言えそうだ。
しかし意思が弱く「毎日手作りは無理」という人でも、自分ができる範囲で「部分的に導入」すれば、金銭的メリットの半分くらいは享受できる。
例えば週に数日だけお弁当にする、もしくは白米を持っていき、おかずだけ買うといった方法だ。
ビジネスパーソンの昼食の最適解は…
総務省の家計調査によると、年収が高ければ高いほど自炊よりも外食を選択する割合が大きくなっている。2019年の調査では、年収500万~550万円の世帯の食費に占める外食比率は18.8%だが、年収1500万円以上の世帯の外食比率は30.2%だった。
これは年収の高い世帯のほうが可処分所得が多いため「寿司でも焼肉でも食べたいときに好きなだけ食べられる」ということであるが、勝ち組を自任している仕事仲間によると「年収が高い人は自炊よりも仕事や投資に時間を使っている。手作り弁当は負け組のシンボルだ」ということであった。
確かに昼食を手作り弁当にすることで確実にお金を貯めることができるが、それは収入の向上とは全く別の話ではある。
そして生涯にわたってちまちま弁当を作らなくても、それを上回る生産性を発揮して圧倒的に高額な生涯収入を得てしまえば、1年で1000万円貯めることだって余裕でできてしまう。昼飯をケチって1000万円を貯める必要など全くないのだ。
ただしいくら自分が高い生産性を示しても、生涯にわたって高収入を得られるかどうかは全く不透明だ。なぜなら会社員の場合、会社の業績、給与体系、人事評価の手法などによって収入が左右されてしまう上、仕事のパフォーマンスを評価するのはあくまでも他人だからだ。自分では断トツに高いパフォーマンスを発揮したと思っていても、上司や人事が認めて高い評価を付けてくれなければ賃金アップなどありえない。
しかも今後は「自分は生産性が高い。年収1000万円でも安いくらいだ」と思っている人が突然リストラされて「年収300万円台の介護の仕事に転職した」といったことが当たり前の時代になると考えられる。
万が一、年収300万円台に転落して家計が大赤字になってしまったら、きっと「ああ、もう少し老後資金を貯めておいたらよかったな」と思うようになるだろう。
本稿は資産形成の一例にすぎない。ぜひ自分なりの方法で十分な老後資金を確保してほしい。