鬼の10倍リターン! サラリーマンは早く「ほったらかし」ベンチャー投資を始めなさい

続く円安、超ドル高、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げなどさまざまな経済リスクが高まる中で、新たな投資の選択肢を探す必要がある昨今。新たな選択肢として、株式投資型クラウドファンディングに注目が集まっているという。
今、大爆発している「ほったらかしベンチャー投資」の実態
株式投資型クラウドファンディングは2015年の法改正によって誕生した新たな投資方法だ。従来の上場株式投資との最大の違いは、その投資先である。株式投資型クラウドファンディングではベンチャーなど、非上場企業を扱っている点が大きな特長となっている。上場株への投資と比べるとまだ定着率は低いが、日本証券業協会によると、これまでの取扱件数は347にのぼる(2022年8月末現在)。現在も市場自体が成長を続けており、活用するベンチャー企業は増加している。
一般論として投資で収益を得る方法には2種類ある。キャピタルゲイン(値上がり益)とインカムゲイン(配当収入)だ。株式投資型クラウドファンディングは、もともと前者に魅力を持つ投資方法だ。キャピタルゲインで利益を得るには株価の値上がりが求められる。が、近年はウクライナ戦争によって続く欧州のエネルギー危機などにより、国内企業の上場株は値動きが激しい状態が続いている。
一方、株式投資型クラウドファンディングは、キャピタルゲインに該当するが、上場株と比較して、日々チャートを見て値動きを気にする必要はないため、ポートフォリオに組み込む新たな選択肢となる。
円安やウクライナ戦争によるエネルギー危機など、社会状況による値動きが起きる上場株投資と比べ、保有してあとは見守るだけ。つまり、資産運用する上で日々に一喜一憂する必要なく、ある日イグジットにより大きなリターンを得られる可能性がある「ほったらかし」できる投資先となるのだ。
そもそも一般人がどうやってベンチャーに投資したらいいのか
株式投資型クラウドファンディングを実行できるプラットフォームの最大手「FUNDINNO」によると、同社はこれまで289件の企業が累計約89億円の資金調達に成功しており、この中にはイグジットを達成した企業も複数社生まれている。現在、約11万人のユーザーがサービスを利用している。
「直近ですと、FUNNDINOで資金調達したInnovation Farm株式会社が今年8月30日に東証プライムに上場の企業によるM&Aが実施されました。同社はIoT プラットフォームの提供や、ロボット・IoT 関連分野の受託開発行っている会社ですが、M&Aにより、同社に投資していた株主は最大4.4倍の投資回収を成功させました」(FUNNDINO担当者)
M&Aのほかにも、TOKYO PRO Marketに上場を果たした琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社のような事例もあるという。ちなみにだが、現状としてベンチャー企業に投資をしたいのであれば、その企業と特別な関係がない限りは、プラットフォームを利用するしかない。
さて、株式投資型クラウドファンディングの見逃せないメリットとして節税もある。ベンチャー企業への投資を促すことを目的としたエンジェル税制という制度だ。
「エンジェル税制とは、ベンチャー企業への投資を促進するためにベンチャー企業へ投資を行った個人投資家に対して税制上の優遇措置を行う制度です。ベンチャー企業に対して、個人投資家が投資を行った場合、投資時点と、売却時点のいずれの時点でも税制上の優遇措置を受けることができます」(中小企業庁)
一定の条件を満たせば、エンジェル税制の対象となる未上場企業に株式投資型クラウドファンディングで投資すると、所得税額控除を受けられるのだ。
最大10.4倍の売買成立。未上場株も売り飛ばせる
さて、先ほどベンチャー投資は「ほったらかし」できる投資であると記載したが、実は未上場株を上場する前に「売る」ことも最近可能になった。
前出のFUNDINNOは2021年12月、未上場株をネット上で売買できるプラットフォーム「FUNDINNO MARKET」をローンチした。「オンラインで未上場企業の株を取引するのは日本初の試みとなる」 (同社担当者)とのことで、約1年の運用で4000人近くの参加、522件の約定取引が発生している(2022年8月末現在)。同社のサービスを利用して最大で10.4倍の売買契約が成立したケースも。すでに、海外ではこうした売買マーケットが普及しており、アメリカでは年間で約17兆円の取引があるなど非常に大きな市場となっている。
利用者からは「投資先企業の一部を利益確定化する一方で、一部はそのまま保有することで、引き続き投資先のベンチャー企業の成長を応援しながらも、一部利益確定という形でリスク分散につかえた」(40代・男性)「FUNDINNOで購入した未上場株を売却することで、一部ポートフォリオを現金化して新たな投資に回せた」(50代・男性)などの声があるという。
日本国内においては、非上場株投資はまだまだ成長段階にあるが、今後は株式投資型クラウドファンディングで調達した企業のイグジットによる売却益の発生や、未上場株投資を投資ポートフォリオに組み込む投資家が増えていくだろう。