ハーバード芸人パックン「アメリカではドケチ=貧乏ではありません」1セントの節約は1セントの儲けだ!

 ハーバード大を卒業し、俳優やコメンテーターとしても活躍するお笑い芸人のパックンことパトリック・ハーランさんは、投資家としての顔も持つ。そんなパックンが語る、「FIREに必要な技術とマインドセット」とは――。実際にFIREを果たした2人による対談を加えた全3回中の1回目。 

※本稿は『金持ちFIRE 貧乏FIRE』(宝島社)から抜粋、編集したものです。 

第2回:米国株で「自称FIRE」した人たちが迎えた ”貧乏FIRE生活” の冬…あんなに強気だったあの人たちの今
第3回:サラリーマンは「40代でFIRE」するのはやめなさい…早すぎるリタイアの大きな落とし穴

芸人パックンの「節約のススメ」 

 FIREに関して僕からアドバイスできることといえば、まずは節約する技術とマインドセットを身につけてほしいということです。資産形成のためには、まず余剰資金が必要です。収入より出費を減らし、その差額が余剰資金になるわけですが、その第1歩が「節約」です。 

 日本では節約を「貧乏くさい」「ケチくさい」などと考えている人が少なくないようですが、アメリカ人は節約が貧乏だなどとは考えません。むしろ積極的に取り組んでいます。 

 僕の好きなフレーズで「A penny saved is a penny earned. (1セントの節約は1セントの稼ぎ)」というものがあります。いってみれば、銀行に入るお金と、銀行に残るお金は結局同じということです。収入で稼いだお金だけでなく、節約で残したお金も、同じく自分の財産です。 

 だから生活費を「切り詰める」とか「削る」と考えるのではなく、「選ぶ」というふうに考え方を変えるといいと思うんです。我慢と感じるかもしれないけど、その我慢も投資です。

 それから、僕はよくFIREを説明するとき、「Fire before you get fired !(クビになる前にFIREしろ!)」というフレーズをよく使っています。これは単に語呂を合わせただけではありません。 

 クビになる……解雇されるということを前提に生きるということではなく、今まで受動的だった人生を能動的に変えていくという意味でもあるのです。上司にいわれるままでなく、自分で考えて仕事も選ぶ、あるいは自分で考えて次の仕事を選び、転職する。 FIREも自分の意思で考えて行う。そして趣味でも旅行でも構いませんが、人生の過ごし方を自分が選ぶということです。 

 ぜひみなさんにも、「Fire before you get fired !」を目指していただきたいと思います。 

FIRE体験者2人による “会社を辞めた後” の話 

www9945さん……元清掃会社のサラリーマン。1996年に本格的に投資を開始し、2014年9月から株式の配当金で生活中。 

アキラさん……国内メーカーに勤務し、28歳での米国赴任をきっかけに株式投資を開始。約15年で5000万円の資産を形成してセミリタイアし、家族でフィリピンの地方都市に移住。 

アキラ:私がFIREした理由を端的にいうと、「会社員が合わなかった」ということです。45歳目前で50万ドルくらいを貯め、移住先にフィリピンを選んだのは、子どもの教育費が非常に安いからです。英語が共用語なので、格安で子どもたちに英語力を身につけさせることができます。 

www:実は家族でフィリピンに移住したアキラさんって、すごい思い切ったことをしたな、と思っていたんです。 

アキラ:日本から見ると、フィリピンは治安が悪いと思われているかもしれませんが、実際、治安が悪いのはマニラやセブの一部の地域だけです。ただ、海外に住んだら貴族のようなプチリッチな暮らしができると思ったら大間違い。

 私のように特別な目的があれば別ですが、生活費が安いからという理由だけだったら、日本の地方都市に住んだほうが全然楽だと思いますよ。こっちのインフレは強烈ですから。 

 ところでwwwさんみたいに、普通のサラリーマンが月5万から10万円くらい稼いでセミFIREするために、再現性が高い資産形成の方法って、どういうものなんでしょうか? 

www:例えば30代の人だったら、無理に勉強をして個別株を買わなくてもいいので、つみたてNISAを活用してパッシブ型(ベンチマーク連動型)のインデックスファンドに投資し、毎年少しずつ積み上げていく。

 そして年齢が40歳以上になったら老後に備えてiDeCoを始める。加えてボーナスでちょっと余裕があったら、百株単位でいいので、日本の優待つきの高配当株を買えばいいと思うんです。 

 これはFIREを考えずに定年まで勤める場合ですが、それだけで60歳や65歳になっても、老後資金に困ることはないということをいつもいっているんですよ。でも、それを実際にやっている人は非常に少ない。 

FIREはいいことばかりじゃない? 

アキラ:私のように家族がいると、家事をやらされるとか、FIREしても必ずしもメリットばかりじゃないということはあると思うんですが、wwwさんはFIREのデメリットを挙げるとしたら、どんなことがありますか? 

www:まず会社を辞めて直面するのが、国民年金と健康保険は自分で払わなくちゃいけないという当たり前の現実です。自分で支払うようになると、国民健康保険料がけっこう高かったりするんですよね。 

アキラ:会社員って、意外に至れり尽くせりだったんだということを実感しますよね。 

www:まったくです。いわゆる自営業になると、自分の想定より2割ぐらい予期せぬお金がかかるんですよ。生活も単調になります。会社を辞めて自由を得た代償として「いや、こんなはずじゃなかった」という事例がたくさん出てくると思うんです。実際、生活レベルも会社員時代の生活以下になってしまう可能性がかなり高い。 

 それこそ今まで利用したこともない業務スーパーや百円ショップも利用するようになります。FIREするなら、自分の想定する金額より2~3割多い資産を築いてからのほうがいいですね 。

アキラ:僕も、本当に会社勤めが辛くてこれ以上は無理という人以外は、数億単位の資産を築いてから辞めるべきだと思いますね。特に家族がいる場合は、ですね。

 結局、既婚者や家族持ちは、家にいるとしょっちゅう喧嘩してしまいますし、仕事を探して働くくらいだったら、何でFIREなんかしたのかって話になりますから、ほぼ不利なことしかないんです。唯一良いところは、妻と夫で家事や子育てをシェアしながら、「二馬力」で働けるという点です。 

www:家族や自分が幸せで、嫌な仕事から解放されて好きなことをやる。結局はそれに勝る幸福はないわけですからね。

『金持ちFIRE 貧乏FIRE』(宝島社)
この記事の著者
パトリック ・ハーラン

1970年生まれ、米コロラド州出身。ハーバード大学比較宗教学部卒。吉田眞と「パックンマックン」を結成し、「パックン」の愛称で、お茶の間から支持を集める。その後、俳優やコメンテーターとしても活躍。流ちょうな日本語で番組MCとしても人気を博す。投資歴は20年に及び、ニュースやマネー関連のインタビューなどにも多数登場している。

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