大不況が日本に襲来…実質賃金マイナス、中小企業の4割がボーナス無! インフレは加速していく

東証プライム上場企業の冬のボーナスは平均8.5%増も業種によって明暗分かれる
冬のボーナスシーズンを迎えるが、昨年より少しは期待できそうだ。労務行政研究所が調査した東証プライム上場企業のボーナスの平均額は78万6945円(平均年齢38.8歳)。前年の72万5289円を上回り、8.5%のプラスとなった(2022年9月14日現在)。
今年の夏のボーナスも昨年を上回っており、それに続き冬も増加基調にある。ただし上場企業184社の集計であり、全体の実態を表しているとは限らない。
労働組合の中央組織である連合が11月7日に発表した年末一時金(冬の賞与)によると、72万6893円。昨年の67万4221円から約5万円増えている。しかし産業ごとに格差がある。製造業は約80万円と前年比約10万円も増えているが、交通運輸は約64万円と前年比約2万円も減少している。産業別組合の集計でも鉄鋼産業が加盟する基幹労連は約88万円と約21万円も増えているが、逆に自動車産業の自動車総連は約26万円も減少している。
11月1日にトヨタ自動車が第2四半期決算(22年4~9月)を発表し、売上高が増加したが、最終利益が前年同期比23%も下回り減益となった。その背景には原材料価格の高騰や世界的な半導体不足も影響しており、トヨタの減速が裾野の広い自動車産業に暗い影を落としている。
運輸労連も約64万円で、昨年に比べ3万円も減少。コロナ禍でも堅調だった小売・流通産業が多いUAゼンセンは約58万円で昨年より3万円程度しか増えていない。全体としては増加していても業界ごとに明暗があり、今年の冬の生活は決して楽観できるものではない。