資産100億投資家がぶっちゃける「上がる株の選び方」億万長者が選ぶ投資スタイルとは…「私の現在の保有銘柄」とは
映画プロデューサーや実業家として活躍しながら、投資家として大株主銘柄だけで約25億円分の株式を保有している嶋村吉洋氏。そんな嶋村氏だが、「個別銘柄の勉強はとくにしていない」と話す。個別の企業動向を深く勉強しなくても利益を生み出すことができる、嶋村氏の投資手法について伺った。
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配当を重視し、約100社に分散投資
私はしっかりと配当をくれる企業の株を買う「インカムゲイン重視」を基本とし、100社ほどの企業に分散投資しています。
これはキャピタルゲイン重視のやり方を否定するというよりは、自分の好みの問題ですね。
高成長を売りにした分配金のない投資信託へ資金を投じてみたこともありますが、どうにも魅力を感じられませんでした。
「長く保有していれば大きな利益を得られる可能性が高い」と頭ではわかっていても、いくら含み益が増えたところで、それは現実のお金ではありませんよね。
私としては、配当金がちゃりんちゃりんと音を立てて入ってこなければ、あまり「うまくいっている」と手ごたえを感じられないのです。
しかも、当然ですが株価は上がったり下がったりしますよね。
評価額が下がったとき、配当がなければ単純に下がった分だけ資産が減少します。そうなると、非常にイライラしてしまうのです。
一方配当があれば、その下がった分くらいを配当がカバーしてくれることもよくあるので、下がっても持ちこたえられます。
「配当ももらったし、もう少し持っておこう」と思っているうちに株価が戻っていく。
そして、長期で保有していることで株価が上がっていき、最終的にはキャピタルゲインも得られる。
このやり方が、自分に一番合っているのです。
億万長者がこぞって好む投資スタイル
私がこれまで影響を受けた投資家のお一人に、「和製バフェット」と言われた竹田和平氏がいました。
日本一の個人投資家と呼ばれていた竹田氏は、
「投資は農業と同じ。株は畑で配当は収穫物。そこから上がる収穫を目的に田畑を買ったのに、その地価が上がった、下がったと言うことに意味はない。注視すべきは毎年の収穫量だ」
というようなことをおっしゃっていました。
また竹田氏は、投資先の企業には株主として感謝の気持ちを手紙にして送るなど、その企業を応援することでも知られていました。20代前半の私は、このような竹田氏の投資の姿勢を知り、非常に共感したわけです。
実体験としても、私は父親の仕事の関係で、小さいころから神戸の山の手エリアに住む億万長者たちの話を聞く機会に恵まれました。