50万円→1億円凄腕投資家「11月以降、日経平均は3万6000~3万9000円のレンジに」2024年後半日経平均シナリオ「どんな銘柄に投資?」

本稿で紹介している個別銘柄:トヨタ自動車(7203)、ファーストリテイリング(9983)、ソニーグループ(6758)、ダイキン工業(6367)
日経平均株価は過去最大の4451円の下落を記録し、9月上旬には米国の雇用統計の結果を受けて、相場は乱高下を繰り返している。それに加え、10月には株価が下がりやすいという米国発のアノマリーや11月の米国大統領選挙が控えており、2024年後半も波乱含みの展開が予想される。
激動の相場で生き残るためには、どのような投資戦略を立てるべきなのだろうか。
みんかぶマガジンの短期連載「投資歴28年の億り人が告ぐ、2024年後半戦の行方」第2回では、名古屋の長期投資家(なごちょう)氏(X:@Nagoya_Tyouki)に、日経平均株価の見通しと市況動向に合わせた投資戦略などについて話を伺った。短期連載全2回の第2回。
目次
トランプ氏が当選すれば、日経平均は爆上げ確定
ーーなごちょうさんが見る、日経平均株価の見通しについてお聞かせください。
錚々たるエコノミストが予測を外しているので、私が見通しについて何かを語る自信はありませんが、第1回でお伝えしたように、日本株のバリエーションを考慮すると現在は割安です。ただし、米国を皮切りに全世界で不景気が広がると、EPSが下がり、PERが上昇するため、株価も軟調になるでしょう。つまり結局のところ、景気動向次第と言えます。しかし、見方を変えれば、現在の景気水準が維持されるならば、日経平均を始めとする日本株はそれほど下がらないと思います。
ーー直近の主なトピックは11月の米国大統領選ですが、今後の見通しについてはどのように予想していますか?
過去の米国大統領選後の相場について、2008年を例外とすれば、2004年や2012年は日経平均に対してプラスに働いています。2008年にはリーマン・ショックがありましたが、その後、12月にかけてリバウンドしましたね。また、2012年11月には野田元首相が安倍元首相に解散を表明し、株高・円安が進行。日経平均も18%上昇し、米国大統領選と重なったため、日本株にとってよい結果となりました。
なかでも、第1期トランプ政権のときは顕著でしたね。当選した瞬間は暴落しましたが、次の日から日経平均は大きく上昇していきました。以上の傾向から、日本では共和党が政権を取ると株が上がりやすく、民主党だと下がりやすいと言えます。
それにトランプ氏のパフォーマンスは過激かもしれませんが、任期中は戦争が起きるわけでもなく平和でした。また、言動だけを見れば北朝鮮に戦争を仕掛けてもおかしくないような雰囲気でしたが、彼は金正恩に会いに行ってますからね。
ーートランプ氏は情勢を見た上で、常に先手を打つようなパフォーマンスをしているように感じます。
はい、トランプ氏は過去にプロレスにも出場したりとショーマンシップが根底にある人ですから、すべてのパフォーマンスを真に受ける必要はないと思います。個人的に討論会で冗談を言うのはどうかと思いますが、日経平均にとってはトランプ氏が当選したほうがよいでしょう。
3万6000~3万9000円のレンジ相場になると予想
ーートランプ氏が当選した場合、ドル円相場についてはどうなると見ていますか?
円高が進んで安定する兆しがありますし、日本経済、日経平均ともに堅調に伸びていくと思います。ただ不安定要素も多く、インフレによって企業業績も増収減益の企業が多いので、2024年初めのように勢いよく上がることはないかなと思います。
いまは企業によって様相がかなり分かれてきていて業績相場のようになっているので、今後はより企業の業績を読む力が試されると見ています。対してハリス氏が当選すれば、現状とあまり変わらない相場になると予想しています。
ーー日経平均株価の直近の上限と下限はどのあたりだと思われますか?
日経平均株価は、トランプ氏とハリス氏、どちらが当選しても3万6000円ぐらいが下限の目処になるかなと。もちろん下回ることもありえますが、3万6000円前後が妥当な水準なのかなと思います。上限については3万9000円あたりを予想していますが、2024年7月につけた4万2000円台の高値を突き抜ける可能性も十分にありそうです。
ーー基本的に上昇基調であるとの予想ですが、その理由とは?