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倒産連鎖がヤバイことに!一番危険はこの業界だ…「もう円安はとまらない」シンガポール投資家注目テーマの10銘柄

本稿で紹介している個別銘柄:明星工業(1976)、古河電池(6937)、東証P:未来工業(7931)、マンダム(4917)、ユタカフーズ(2806)、大成ラミック(4994)、住友理工(5191)、生化学工業(4548)、リオン(6823)、アネスト岩田(6381)

 終わらない物価高と、本格的に始まった金利上昇が企業を苦しめている。株式評論家の木戸次郎氏は「ついに倒産連鎖が始まった」と警鐘を鳴らす。海外投資家注目10銘柄とあわせて、相場の行方を解説していただいた。みんかぶプレミアム特集「最強株」第一回。

目次

石破ショックで日銀も金利を上げづらくなった

 さて、石破政権がスタートした。総裁選前の石破さんは「徐々に金利のある世界を実現することが物価上昇の抑制や構造改革に資する」と述べ、日銀のゼロ金利を解除した金融政策運営を評価していた。また、適正な為替水準については「常識的に110円─140円と言われている」とし、金利のある世界を実現していくのは正しい政策だとし、輸入物価の引き下げにつながるとの考えも示していた。

 ところが、総裁選で石破さんが勝利するや否や1ドル=142円まで一気に円高が進み、日経平均は2000円近い大暴落を記録した。のちにこれは「石破ショック」と言われるようになるのだが、実は石破新総裁自身が最も狼狽えたようで、その後すぐに「個人的には追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」とこれまでの主張を恥ずかしげもなくあっさり覆した。

 これで日銀が10月30日~31日行われた金融政策決定会合でも金利を上げづらくなったのは言うまでもないであろう。

「103万円の壁」よりも「社会保険の壁」のほうが高くて険しい

 石破首相は総裁選前の公約をあっさりと覆すなど、不遜な態度も相俟って支持率も急降下し、厳しい船出となった。更に少数与党ということもあって円滑に物事が決まらないという欠点もある。今回の選挙で大躍進してキャスティングボードを握った国民民主党の玉木代表は103万円の壁を提唱するも選挙翌日には愛人との不倫密会が問題視され、トーンダウンとなった。

 些か余談だが「103万円の壁」というけれど、この場合は最低税率の5%のみの課税で済むので、せいぜいオーバーしても数百円で済むことになる。

 一方で問題なのは106万円、130万円の壁の方である。なぜなら年収の15.66%も社会保険料を支払わなければならないからだ。正直言って、税金の「103万円の壁」よりも、「社会保険の壁」のほうが、はるかに高くて嶮しいのである。

39兆円規模の経済対策のインパクトはどうか

 いずれにしても、石破内閣が打ち出す39兆円規模の経済対策がどの程度のインパクトがあるかで今後の支持率や評価が変わってくるであろうと思う。

 中身についていうと①賃上げ環境の整備、②物価高への対応、③国民の安心・安全面の確保、という三つの柱がある。

 1月から電気、ガス料金の補助を再開して三月まで行う、住民税の非課税世帯を対象とした給付金の支給、能登半島地震の被災地のインフラ復旧や生活再建の支援策、更には頻発する闇バイト対策などを盛り込んでいる。

 実は三つの柱は全て関連していることがわかる。特に中小零細や飲食業は円安による燃料費の高騰、食材の高騰で利益を圧迫されているために価格転嫁できずに利益率も上がらない。したがって台所事情も厳しくなり、人件費も上げられない。平均給与所得が260万円の飲食業界では年収で200万円に満たない層が40%以上もいる。そうなれば生活が厳しくなり、ローンや税金が支払えなくなる。そして泣く泣く闇バイトに手を染めるといった感じであろう。

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この記事の著者
木戸次郎

1965年生まれ。明治大学政治経済学部卒。 地場証券会社を経て投資顧問会社の代表取締役。その後、ベトナム国営バオベト証券バオベトジャパン理事、ベトナム国防省タイソングループ顧問、外資系ファンドの戦略アドバイザーを経て現在はTMI総合法律事務所のマーケティング担当。著書にベストセラーとなった『修羅場のマネー哲学』(幻冬舎)『修羅場の鉄則』(幻冬舎)、『木戸次郎の大化け株』(宝島社)、『株はあと2年でやめなさい』(第二海援隊)、『常勝の株』(講談社)ほか多数。

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