人気の敏腕投資家が守るシンプル投資ルール…危機を迎える日本市場で注目する「冷や飯業界」とは

中長期保有を基本としながらも、相場の変化には柔軟に対応する。そんな投資スタイルを貫き、元手50万円を追加入金しながら累積入金額1400万円に増やした個人投資家・なごちょう(@Nagoya_Tyouki)氏が、2025年も好調な滑り出しを見せている。日本株への相対的な優位性に着目しつつ、インフラ関連の新たな動きにもアンテナを張っている。
全3回にわたってお届けするインタビューの第1回では、なごちょう氏の投資戦略の根底にある「シンプルで一貫した投資哲学」について詳しく伺った。
目次
方針はシンプル!銘柄・業種に分散
――なごちょう氏の現在の投資ポートフォリオや方向性について教えてください。
配当重視の投資方針なので、配当利回りが高く、かつ財務内容が良好な銘柄を中心にポートフォリオを構成しています。業績に応じて今期よりも来期の配当を増やしていく、いわゆる「増配が見込める銘柄」の比率を高めるようなイメージです。
リスクヘッジの観点から、銘柄だけでなく業種にも分散を図り、できるだけ幅広い構成になるように心がけています。
このシンプルな方針は、もう長く続けています。現在の配当収入を将来的には倍程度に増やしていきたいと考えているので、今後もこの方針を変えず、シンプルに投資を継続していくつもりです。
――2025年になってから新たに購入したり売却した銘柄はありますか?
今年に入って、すでにかなり売買を行いました(※インタビュー日:3月18日)。完全に売却した銘柄が7社、一部売却が2社、そして買い増しを行ったのが2社です。
私は常にフルインベストの状態なので、資金はほぼすべて株に投じています。そのため、新たに買いたい銘柄があったとしても、まずは何かを売却しなければなりません。
現時点で特に印象的な売買は、中央紙器工業の売却です。愛知県に本社を置く企業で、地元の会社ということもあり、実に21年間も保有していました。今回、TOB(株式公開買い付け)の対象となったことを受けて売却しました。
TOBに応じて最後まで株を保有していると、税金面などで少々手間がかかるため、市場での売却を選びました。市場売却の方がやや安くはなりますが、手続きがシンプルで済むメリットがあります。
投資方針は不変──「中長期で持つ」
――年明け早々から売買を活発にされていますが、2024年と比べて投資方針に変化はありますか?
投資方針に特に大きな変化はありません。これまでと同じ方針のもと、その一環として日常的に銘柄の入れ替えをしているだけです。
基本的に中長期的に保有するスタンスなので、2025年に入ってから売却した銘柄のうち、保有期間が1年未満だったのは1社だけでした。今後もおそらく、同様の時間軸で投資を続けていくつもりです。
――2025年の日本株に対しては、どんな相場観をお持ちですか?
当初は、米国が弱くなれば日本も影響を受けて弱くなるのではないかと考えていましたが、実際には日本の方が相対的に強いのでは?と感じています。もっと言えば、ぜひ強くあってほしいですね。