「令和のブラックマンデーは当面ない!」年間配当500万円超え投資家が伝授、トランプ相場をチャンスに変えるバランス戦略

米国のトランプ大統領の関税発動が世界中で大きな波紋を呼び、株価は急落と急反発を繰り返す不安定な展開を見せている。
一方、日本銀行は政策金利を0.5%に据え置き、2%のインフレ目標に向けた金融政策を維持。投資家たちの間では、成長分野への期待が高まり、市場の動向を注視する。
政治の不透明感と経済の先行きを見極めることが求められる今、注目の銘柄と戦略で相場の荒波を乗り越える方法とは…?
今回は、高配当株と株主優待株運用のエキスパート・ペリカン氏(X:@Pelican_Blog)に、トランプ関税対策や日銀の金融政策などについて話を伺った。
短期連載全2回の第1回ーー。
(2025年4月16日取材)
目次
ボラティリティ縮小、政策効果見極めるフェーズに移行
――現在の市場はトランプ大統領の関税政策で大きく揺れていますが、全体の状況をどう見ていますか?
トランプ大統領の関税政策は、2025年1月の就任以来、ボラティリティが大きい相場が続いています。
特に自動車や部品関連の銘柄は、関税の影響を強く受け、株価が急落する場面が目立ちました。日経平均が1日で1000円以上動くこともあり、投資家の疑心暗鬼を煽る展開が続きました。
ですが、最近はトランプ氏の強硬姿勢が一部軟化している兆しが見られます。市場は彼の政策の実現可能性を見極め始め、短期的なボラティリティは徐々に縮小しつつあります。
今後は、企業の業績や実体経済に基づく相場へと移行していくと予想しています。トランプ氏の米国ファースト政策は、依然として注目すべき要因ですが、市場は彼の発言を過度に織り込む段階から、実際の政策効果を冷静に評価するフェーズに移っていると感じます。
高関税宣言から一転、トランプ氏は特定製品に配慮も
――具体的に、どのような軟化の兆候が見られますか?
トランプ氏は当初、広範な品目に対して25〜50%の高関税を課すと宣言していましたが、最近は特定の製品への配慮が見られます。
例えば、iPhoneなどスマートフォンに対して「関税を緩和する」との発言や、農作物、工業製品の完全な国内生産が現実的でないことが明らかになり、政策の限界が露呈してきました。
彼のカリスマ性や大胆な発言が市場を動かしてきた一方で、最近はその「底」が見えてきた印象です。市場参加者は、トランプ氏の言うことをそのまま受け取るのではなく、どの政策が実現可能か、どの程度の関税が実際に適用されるかを冷静に判断し始めています。
それこそ、8月の「令和のブラックマンデー」のような急落局面は頻度が減り、プラス1000円、マイナス1000円といった大きな変動も落ち着いてくると見ています。関税が5〜10%程度に落ち着くシナリオが現実的になりつつあります。