「日本円がトルコリラ級の大暴落危機に」著名投資家が教えるインフレ激化と政治リスクに「負けない投資術」

2025年7月の参議院選挙を目前に控え、政治の不安定さと世界的なインフレ圧力が投資市場に緊張感を漂わせている。とはいえ、野党の勢力拡大や過激な新勢力の台頭は、株価の低迷や円安のリスクを増大させる可能性も否めない。さらに、トランプ関税の影響やエネルギー価格の高騰が経済に重くのしかかる。
この厳しい状況下で著名投資家はどのような戦略を考え、難局を乗り切るのか。個人投資家「なごちょう」氏(@Nagoya_Tyouki)に、国内の政治情勢が投資戦略に与える影響などについて話を伺った。
みんかぶマガジンプレミアム特集「どうする?下半期の攻め方」第1回。
(2025年5月21日取材)
目次
政権の不安定化で資金流出、株価下落リスク高まる
ーー2025年7月の参議院選挙前後の政治情勢は、投資戦略にどのような影響を与えると考えられますか?
参議院選挙は、日本の政治の安定性や経済政策の方向性に影響を与える重要なイベントです。過去の傾向を見ると、与党(自民党・公明党)が議席を維持または増加した場合、市場は政策の継続性を評価し、株価が安定する傾向があります。
一方、野党が議席を伸ばし、与党の議席数が大幅に減少した場合、政権の不安感から資金が海外に流出し、株価が下落するリスクが高まると見ています。
【選挙結果のシナリオと影響】
自民党が圧勝:政策の継続性が評価され、株価は短期的に上昇する可能性。ただし、現在の株価バリエーションが低く、市場はすでに政治リスクを織り込んでいるため、急激な上昇は期待しにくいです。
与党が議席を減らす:野党が議席を伸ばした場合、政治の不確実性が高まり、株価が下落するリスクがあります。
仮に、急進的な政策を掲げる勢力が台頭すると、国債発行拡大やインフレ加速の懸念から、市場の不安感が増す可能性があります。
極端なケース:支持率が10%台前半に落ち込むと、党内での「首相おろし」や早期の衆議院解散圧力が高まる可能性があります。
一例として、2009年の民主党政権交代では、政権交代後に株価が不安定化した時期があり、投資家はこうしたリスクを念頭に置いておいたほうがよいでしょう。
・政治リスクと市場の変化
また近年、SNSやインターネットの普及により、選挙結果に影響を与える情報が急速に拡散するようになりました。とりわけ、れいわ新選組のような新興勢力が若年層を中心に支持を集めている点は注目すべきです。
NHKの世論調査では、20〜30代の支持率が予想以上に高いことが示されていて、こうした動きが選挙結果に影響を与える可能性があります。
例として、1993年に日本新党が予想外に議席を獲得し、政権交代につながったケースがあり、今後も同様のサプライズが起こるリスクも無視できません。
また、グローバルな視点では、トランプ政権や欧州のポピュリズム政党(※)の台頭が示すように、民主主義国家における政治リスクが高まっています。
※イタリアのメローニ政権やルーマニアの極右勢力など
日本でも、過激な政策を掲げる勢力が議席を増やすと、為替や株価の変動が大きくなる可能性も否めません。