マンションインフルエンサー「不動産はバブルにはなりえない」価格別注目エリア&マンション実名を大公開

不動産価格が高騰する中、マンションインフルエンサーの2LDK氏は「マンション価格はこれからも上がっていく可能性が高いが、バブルになる可能性は低い」と話す。2LDK氏の不動産市況の捉え方や、価格帯別の注目エリア・マンションについてうかがった。みんかぶプレミアム特集「マンションで稼ぐ術」第5回。
目次
不動産価格はこれからも上がっていく
私はもともと賃貸派で、マンションを買うつもりはまったくありませんでした。しかしひょんなことから東京のマンションのモデルルームを見学した際、そのクオリティの高さに惹かれてしまい、購入を決意しました。
自分なりに調べて2LDKの新築マンションを買いましたが、引き渡しまでにけっこうな時間があったんです。そこで「自分の意思決定は間違いではなかったのか」を確認するためにさまざまなマンションやブログを見るようになり、すっかりマンションにはまってしまいました。
さて、昨今の市況を見ると、「不動産価格が上昇している」ことは言うまでもありません。ではこの上昇がいつまで続くのか。私としては、少なくとも首都圏のマンションにおいてはまだ続くと考えています。
ただ、マクロな視点で見れば首都圏の不動産価格は上昇していく一方で、ミクロな視点で見れば価格が上がり続けるエリアとそうでないエリアの濃淡がより色濃く出てくるようになると考えています。いわゆる二極化が加速する可能性が高いです。
最近は不動産価格があまりに上昇したために、「損をしたくない」と思う人が増え、将来的なリセールバリューを気にする傾向が強くなったと感じています。
ただこの傾向は、仕方のないことです。高い買い物になればなるほど、「いざというときに住宅ローンの残債以上の値段で売れるのか」「このマンションを買ってちゃんと返済していけるのか」といった不安が生じてくるのは当然です。つまり、リセールバリューを強く意識しないと買えないくらい、マンションの価格が高くなっているとも言えます。
結果、住まい探しにおける判断軸が「リセールバリューの高さ」で同質化してしまい、特定のエリアやマンションに人気が集中してしまっています。そして人気が集まるがゆえに、さらに価格が上がってしまう。このようなサイクルは、今後むしろ加速するだろうと思っています。
不動産はバブルになりえない
「いまの不動産価格はバブルだ」と言う人も少なくありません。ですが、私は「バブルにはなりえない」と思っています。
不動産は、株と違って簡単に売買できるものではありません。また、自分たちが住んでいる不動産の価格が下落したとき、その局面で自宅を売ることは困難です。なぜなら、売るということは新しい住まいを買うもしくは借りる必要があるためです。住み替えにより家族の生活環境が変わることから、家族の同意も必要です。株と違って住まいである不動産は簡単に損切りできない特徴があります。
ですから、仮に不動産価格が調整局面に入ったとしても、そこから暴落が起こる可能性は低いです。一方で調整局面に入れば、購入者のマインドが冷え込むことは十分に考えられるため、調整局面で起こることは暴落ではなく売買数の減少だと思います。
バブルを「大きく上がって、大きく下がる」ことと定義すると、いま言ったように、不動産の価格が大きく下落する可能性が低い以上、今後価格上昇が続いたとしても「バブルにはなりえない」と考えています。ただし、ここ数年の価格上昇スピードは異常に早かったので、どこかで上昇スピードが鈍化する可能性は十分にあり得ます。
暴落する可能性が低いことに加えて、価格上昇が続く可能性が高いことを踏まえると、数年後振り返ったときに「今が一番安かった」となる可能性は十分にあります。今住まいが必要だと考えている人は、「家族の幸せが高まる住まいを、早く買う」ことをお勧めします。
不動産価格がここまで上がっている要素の一つとして、金融商品としての側面が強くなっている点が挙げられると感じています。特に国内外問わずお金を持っている人たちは今、お金の置き場を探している状態です。彼らが「都心部のタワーマンションを買っておけば、お金が増える」と認識している限り、都内の大規模新築タワーマンションの人気が落ち着くことはなさそうです。
「50年ローン」を使わざるを得ない人が増えている
最近は、世帯年収1000万円程度の夫婦が1億円のマンションを買うようなケースも増えてきています。一般的には、年収の10倍まで借りることは「強気」と感じる人が多いと思いますが、それくらい予算を上げなければ、ほしいマンションが買えない時代になってきていることも事実です。