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今マンションを買うのは危険なのか ベストな買い時を識者が直言「むしろ…」本当は教えたくない超穴場の世帯年収別おすすめエリアも実名暴露

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 都内のマンション価格は高騰を続け、一部ではバブルを懸念する声も聞かれる。果たして今、マンションを買うのは賢明な判断なのだろうか。マンション市況に精通するマン格氏は、現在の市場動向を考えればむしろ「早めに自分好みのポジションを持っておいたほうがいい」と指摘する。首都圏マンションの買い時や、マンション選びで失敗しないための考え方、さらには世帯年収別の意外なおすすめ穴場エリアなどについて、マン格氏に詳しく語ってもらった。みんかぶプレミアム特集「マンションで稼ぐ術」第4回。

目次

マンションを今買って大丈夫なのか…高まるバブル懸念への答え

 数年前に比べると、都内のマンション価格は軒並み上昇しています。一部では「バブルなのではないか」という意見を耳にするようにもなりましたが、本当にそうなのでしょうか。

 私の意見では、現在の首都圏のマンション市場はバブルとまでは言えないと考えています。もちろん、価格が急騰している事実は間違いありません。しかし、その背景を仔細に分析すると、かつての土地神話に沸いた不動産バブルとは、その構造が全く異なることがわかります。

 今の価格高騰を支えているのは、大きく分けて3つの強固な柱があるのです。すなわち「需要の質」「コスト構造」「グローバルな資金の流れ」です。ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

今のマンション市場を支えている需要の正体 誰が買っているのか

 バブルという言葉を聞くと、多くの人が「実体のない投機マネーが価格を吊り上げている状態」を想像するのではないかと思います。誰も住む予定のない物件が転売を繰り返され、価格だけが空中で膨れ上がっていく状態です。しかし、現在のマンション市場の主役はそうした投機家ではなく、あくまで実際に住むために家を買う人々、つまり実需層であると見ています。

 もちろん、短期的な転売を狙った投機目的の購入も増えてはいるでしょう。しかし市場全体を見渡したとき、その根幹を支えているのは、間違いなく実需です。特に高価格帯の物件の市場を牽引しているのが、いわゆる富裕層、そしてパワーカップルと呼ばれる高所得の共働き世帯です。

1億5,000万円のタワマンを買えるパワーカップルは「ゴロゴロいる」

 私が日々接している情報や肌感覚から言うと、世帯年収2,000万円から3,000万円クラスのパワーカップルは、今の都心にはゴロゴロいます。大手総合商社、外資系金融、コンサルティングファーム、IT企業のトップ層など、夫婦でこうした企業に勤めていれば、十分に到達可能な数字です。彼らにとって、たとえば1億5,000万円くらいのマンションは、投機対象ではなく、自分たちのライフスタイルを実現するための「実需」の範囲内なのです。

 もちろん、彼らにとっても青天井で買えるわけではありません。感覚的には、2億円を超えてくると、さすがにローン審査も厳しくなりますし、購入できる層はかなり限定されてきます。しかし、1億円台前半、特に1億2,000万円から1億5,000万円くらいの価格帯であれば、「ついて来れる」実需層がまだまだ豊富に存在します。これが、都心の新築・中古マンション市場が活況を呈している最大の理由です。

高騰し続ける地価と建築コスト いったいどこまで上がるのか

 今のマンション市場がバブルではないと考える第2の理由は、マンションという「商品」の原価そのものが、急激に上昇しているという紛れもない事実にあります。

 マンション価格を構成する二大要素は、土地の仕入れ値である地価と、建物を建てるための建築コストです。そして今、この両方がすさまじい勢いで上昇を続けています。特に都心部においては、その傾向が顕著です。

 まず「地価」についてですが、コロナ禍で一時的な停滞が懸念されたものの、都心部の地価は一貫して上昇トレンドを描いています。金融緩和による潤沢な資金が不動産市場に流れ込み、再開発需要も相まって、デベロッパーによる用地取得競争は激化の一途をたどっているのです。土地を仕入れるコストが上がれば、その上に建つマンションの価格が上がるのは、ごく自然な経済原理だと言えます。

数年前に1億円で買えたマンションも、今は…「価格転嫁」の実態

 そして、それに輪をかけているのが「建築コスト」の高騰です。建築コストの上昇はかなり深刻な状況だと言えますが、これには複合的な要因が絡み合っています。

 まず、長年のデフレで抑えられてきた建設作業員の人件費が、人手不足を背景に上昇に転じました。働き方改革関連法の影響で、労働時間にも制約がかかり、工期が長期化することもコスト増につながっています。さらにウクライナ情勢や、円安を背景とした鉄筋、コンクリート、ガラス、断熱材といった資材価格の世界的な高騰が直撃しています。これらは、デベロッパーの企業努力だけで吸収できるレベルをはるかに超えているのです。

 たとえば、数年前に1億円で販売されていたマンションとまったく同じ立地・仕様の物件を今建てようとすれば、地価と建築コストの上昇分を転嫁せざるを得ず、販売価格は1億2,000万円、1億3,000万円になってしまうでしょう。つまりこれはバブルではなく、コストの増加を価格に反映したにすぎない、というわけです。

中国・台湾勢が都内のマンションを買い漁っている…日本が格好の投資先に

 国内の実需とコスト構造、この2つだけでも、現在の市場の底堅さは十分に説明できるかもしれません。しかし、それに加えて昨今のマンション市場を語る上で無視できない第3の要因が存在します。それが、海外からの不動産購入、特に中国・台湾の富裕層による旺盛な需要です。

 正直に言うと、私自身、数年前までは中国・台湾勢の購入意欲については「一過性のものではないか」と、懐疑的な見方をしていました。しかし、ここ最近の動きを見ていると、これは一過性どころか、今後も継続し、さらに拡大する可能性すらある、構造的な変化だと認識を改めざるを得ません。

 これは私が実際に中国の方と話をしていて肌で感じることですが、彼らの日本不動産購入の動機として、「資産保全」への備えという側面が非常に強くなっています。台湾有事等の万が一の際の資産の避難先、あるいは自分たち自身の生活の場の確保として、地理的に近く、社会が安定し、かつ不動産の所有権が法的に強く保護されている日本が、極めて魅力的な投資・移住先に映っているのです。

中国人富裕層が好むのはどんなタワマンか

 安全資産としての「円」が買われるのと同じように、安全資産としての「日本の不動産」が、海外の富裕層、特に地政学的リスクを身近に感じる中国・台湾の富裕層から熱い視線を注がれています。これは、平成バブル期には見られなかった新しい現象です。

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この記事の著者
マン格

マンション好きの30代。趣味が高じて不動産仲介に転身。Xでおすすめ物件やマンション購入テクニック等を発信中。予算1〜1.5億円、坪単価500-700万円が得意レンジ。若い世代のマンション購入を応援。

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