「ニューモント、純金積立、GLDMで運用せよ」著名投資家が教える激動トランプ相場で勝ち抜く「ゴールデンルート」

本稿で紹介している個別銘柄:ヴァンエック金鉱株ETF(GDX)、ニューモント(NEM)
トランプ関税の余波で市場が混乱する中、2025年4月、金の現物価格は一時、1オンス=3500ドルという史上最高値を記録した。この流れを受けて金鉱株も急上昇し、まさに「有事の金」としての価値を際立たせている。
では、なぜ金がこれほど注目を集めているのか。また、金鉱株など関連銘柄の動きはどうなっているのか。トランプ相場に備えた最適な金投資とは・・・。
今回は『Financial Free College』(以下、FFC)の講師、松本侑氏(X:@smatsumo0802)に金価格急騰が金鉱株に与える影響と、注目すべき金関連銘柄について話を伺った。子育て世代に向けた金を取り入れた資産運用の手法も必見だ。インタビュー全2回の第1回。
(2025年5月21日取材)
目次
金価格と金鉱銘柄の株価は“短期的”には比例
ーー最近、金がこれほどまで注目されている理由は何でしょうか?
米中間の緊張やウクライナをめぐる情勢、物価上昇の懸念といった複数の要因が絡み合い、金の価格が大きく上昇していると考えられます。
さらに、FRBが利上げを一時的に見送ったり、将来的な利下げへの期待感が広がったりすることで、金の価値がさらに高まっている側面もあると思われます。
直近では、トランプ関税により、インフレ&米ドルと米国債の信用力低下による、ドル売り・債券売りが加速化し、マネーの逃避先として金に集中したことが挙げられます。
そして、5月16日に大手格付け会社のムーディーズが米国を最上位の「Aaa」から「Aa1」に格下げしたことも金が買われる理由になってしまいました。
ーーでは、金の急騰が金鉱株の株価にどんな影響を与えると思いますか?
金価格が大きく上昇すると、金鉱株の業績も一気に上向きます。金は世界中でドル建てで取引されているので、価格が上がれば企業の売り上げが伸び、決算書にずいぶんいい数字が並びます。
たとえば、1年で金価格が20%跳ね上がると、採掘量が同じでも売り上げが20%増えるので、株価も自然と上がっていくことが多いんです。
ただ、これは短期間の話でして。長期で見ると、金そのものに投資するほうが安定して利益をだしやすい傾向があります。なぜなら、金鉱株には採掘コストの増加や経営の不安定さといったリスクが付きまとうからですね。