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「欧州株、中国株、香港株で最強ポートフォリオを組めばいい」著名投資家が激動トランプ相場にオススメする資産運用に組み込みたい“非米国株”の歩き方

松本侑
(c) AdobeStock

 2024年に史上最高値を更新した米国株式市場だが、一方で注目を集めているのが欧米および中国株の上昇傾向である。

 米国株のリスクが高まる中、投資家の資金が流れ込む避難先として、欧米・中国株がなぜ魅力的なのか。また、今後どのような展開が予想されるのか。

 今回は『Financial Free College』(以下、FFC)の講師、松本侑氏(X:@smatsumo0802)に現在の株式市場の動向、注目の銘柄、そして今後の見通しについて話を伺った。インタビュー全2回の第2回。

(2025年5月21日取材)

目次

短期的に欧米株と中国株優勢も、やはり米国株が「最強」

ーー最近の株式市場の動向と資金の流れについて、全体像を教えてください。

 2025年に入ってから、米国株が高値をつける一方、欧州株や中国株が割安感から注目を集め、投資マネーがこれらの市場に集まっています。この流れは、2025年3月の関税ショックを機に一気に加速しました。

 世界の株式市場が関税ショックで一時的に値を崩した後、割安な欧州や中国の市場が大きく反発しました。具体的には、ショック後の1カ月で香港ハンセン指数が約15%戻し、ドイツDAXも約10%上昇していますね。

 そして2025年4月段階で、ナスダックのPERは約30倍、S&P500は約24倍に達していますが、香港ハンセン指数は約12~14倍、上海市場は約14.5倍、ドイツDAXは約15~18倍、イギリスFTSE 100は約18倍と、特にアジア市場が手頃な水準にあります。

ーーでは今後、投資マネーは米国株にふたたび集まるのでしょうか?

 前述の通り、関税ショックで世界の株価が一時的に下落し、欧州株や中国株など割安な市場にマネーが流れ込みました。ですが、こうした動きは株式市場では珍しくありません。ですから、過度に心配する必要はないと思います。

 とはいえ、米国株が売られるきっかけが生じた場合、割安感のある欧州株や中国株が注目される局面がくるでしょうね。

ーーこれまでの市場の動きから、そのように言えるのですか?

 はい。過去5年のチャートを振り返ると、S&P500は欧州株(DAX)とほぼ互角の成績を収めていますが、香港ハンセン指数は大きく出遅れています。具体的には、S&P500が約80%値上がりしたのに対し、ハンセン指数は約20%下落し、DAXはS&P500に近いパフォーマンスを見せました。

 このため、欧州株や中国株はポートフォリオの中心ではなく、短期的な利益を狙うサテライト資産として活用するのが賢い選択だと考えます。

ーー関税ショック後の市場の回復状況はどうなっていますか?

 関税ショック後の回復は、どの市場でも順調に進んでいます。S&P500は3日間の下落から約10%持ち直し、欧州株(DAX)は約8%、中国株(ハンセン指数)は約12%上昇しました。

 欧州株や中国株は短期間で大幅に戻しましたが、米国市場への信頼感が再び強まる中、投資マネーは米国株に回帰しつつあります。結局、欧州株や中国株が強くなるのは、関税ショックのような特殊な局面に限られるようです。

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この記事の著者
松本侑

投資スクール「Financial Free College(FFC)」を運営する株式会社バイアンドホールドCEO。千葉県出身。大学卒業後メガバンクに就職し、投資に興味を持つも、適応障害を経験。その後、難関大学向け大学受験塾講師として働きながら本格的に投資を開始するが、最初の3年間は損失が続く。試行錯誤を重ねた結果、長期投資を軸としたスタイルを確立。2020年には資産を4,000万円に増やし、サイドFIREを達成。現在の総資産は8,000万円に到達。

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