社会の役に立つ企業にお金を託す・・・47歳で“億り人”になった著名投資家「短期的なノイズに惑わされず、優良企業への長期投資を貫く」哲学

47歳で億り人になった桶井道|おけいどん(@okeydon )さん。両親の背中を見て自然と投資の世界に入ったおけいどん氏は、若い頃から「いつ働けなくなるか分からない」という不安と共に生きてきたと言います。
株式投資は備えであり、自立のための手段だったと話すおけいどんさんに、投資の本質などについて伺いました。インタビュー全2回の第1回。
目次
株式投資は生活の「備え」だった
ーー投資を始めたきっかけは何だったのでしょうか?また、当時の経済状況やご自身の仕事環境についても教えてください。
中高生の頃から両親が投資する姿を間近に見て育ったため、株式投資をすることはごく自然なこと、且つ身近な存在でした。両親が四季報を毎号読み込んだり、朝刊で株価をチェックしたりして、電話で株式注文をしていたのを、今でもよく覚えています。当時は当たり前だったアナログな投資スタイルそのものですね。
そうした家庭環境の中で、投資は「大人になったら当たり前にやるもの」としてインプットされていたのです。
また、個人的な背景も投資への関心に大きく影響しました。私は小さい頃から体が弱く、小中高を通じて欠席日数は毎年二桁。大学進学後にようやく体調が安定し、社会人として支障なく働けるようになりましたが、「またいつか働けなくなるかもしれない」という不安はずっと心のどこかにありました。
そんな想いから、自分が働けなくなっても生活に困らないように、備えとして株式投資を始めました。
ーー初めて買った株は何でしたか?当時の心境や判断基準を覚えていますか?
最初に購入した銘柄は、正直なところ記憶に残っていません。ただ、当時の自分はとにかくさまざまな投資スタイルに手を出していたことを覚えています。高配当株、成長株、東証1部銘柄、新興市場株など、いわば手探り状態です。
「まずは経験してみよう」という気持ちだった反面、確固たるマイルールもなく、判断の軸がブレていたと思います。情報源は主に四季報や投資雑誌でしたが、今思えば表面的な判断に過ぎなかったと感じています。