売らずに持ち続ける?47歳“億り人投資家”のブレない選定と判断

本稿で紹介している個別銘柄:ディスコ(6146)、東京エレクトロン(8035)
47歳で億り人になった桶井道|おけいどん( @okeydon )さん。両親の背中を見て自然と投資の世界に入ったおけいどん氏の投資スタイルは、驚くほどシンプルです。
資産形成の鍵となる株式投資においての「買い方」や「売り方」などについて伺いました。インタビュー全2回の第2回。
目次
「5年チャートで下降トレンドなら、良い企業でも原則買いません」
ーーどのような軸で銘柄選定をしているのかを教えてください。
私が最初に見るのはその企業が属している事業分野です。将来的にその分野の需要が伸びるかどうか。そこが見込めないと、どんなに数字が良くても投資対象からは外れます。
次に注目するのは「他社に真似されにくいビジネスモデル」を持っているかどうか。参入障壁の高さや独自性のある収益構造を持っている企業を好んでいるのです。加えて、業界でのポジションも見ます。基本的には業界1位か2位であることが理想ですが、それ以下でも、ニッチな分野でしっかり稼いでいる企業であれば投資対象になります。
定量的な部分では、増収増益が続いていること、EPS(1株あたり純利益)が安定的に成長していることを重視します。たびたび赤字になっているような企業は選びません。営業利益率にも注目していて、外国企業なら20%以上、日本企業なら10%以上を目安にしています。
ーー銘柄を選ぶ際、チャートや指標で必ず見るポイントを教えてください。
一番重視しているのは5年チャートの形です。ここが下降トレンドなら、どんなに良い企業でも原則として買いません。長期チャートのトレンドは簡単には変わらないと思うからです。
ROE(自己資本利益率)は、外国株であれば最低でも10%以上、日本株であれば8%以上が目安です。また、PER(株価収益率)は過去推移と比較して過熱していないかを確認します。高配当株や増配株であれば、配当性向が30~50%の範囲内に収まっていることも重要です。持続可能な配当であるかどうか、ここは必ず見ています。
ーー「これは絶対に避ける」銘柄の特徴はありますか?
いくつか明確な基準があります。まず、5年チャートが下降トレンドの企業。次に、過去に不祥事を起こしている企業、繰り返し赤字になっている企業、そして増資を行った企業も避けるようにしています。
さらに、もう一つ大事にしているのはその企業が「世のため人のためになるかどうか」です。たとえ業績が良くても、社会的に支持しづらい企業には投資しません。長期的に保有するからこそ、応援したくなる企業であることが私にとっては欠かせない基準です。