「円安・関税ダブルショック」の最悪シナリオ、元50億円ディーラーが教える今年後半戦の“乗り切り方”

本稿で紹介している個別銘柄:トヨタ(7203)、ホンダ(7267)、エヌビディア(NVDA)、東京エレクトロン(8035)、関西電力(9503)、中国電力(9504)、九州電力(9508)
米国の関税政策や国内の政治的不安が市場に不透明感をもたらす中、そうした相場こそ投資のチャンスだと捉える声もある。
かつて証券ディーラーとして50億円の利益を上げ、現在は個人投資家として活躍する「たけぞう」氏(@noatake1127)が注目するポイントとは―。
2025年後半に注目すべきイベントと不安定な相場を乗り切るための具体的な投資戦略などについて話を伺った。インタビュー全2回の第2回。
(2025年7月21日取材)
目次
円安・関税ダブルショックも念頭に置くべし
ーー今年下半期のポイントは?
2025年後半の市場を大きく左右するのは、やはり米国のトランプ政権が打ち出す関税政策だと思います(詳細は第1回を参照)。
特に自動車への関税は、トヨタ(7203)やホンダ(7267)みたいな大手企業にコスト増や販売減の影響を及ぼし、業績が悪化する懸念があります。この影響は株価だけじゃなく、実際の経済にも広がり、2〜3カ月後にはその全貌が見えてくるはずです。
そもそもトランプ政権の政策は読みづらい部分が多く、中国をメインターゲットにしつつも、日本が巻き込まれる可能性はゼロではありません。
もし関税が本格化すれば、円安が進む一方で、輸出企業の利益が圧迫されるリスクも出てきます。
なので、自動車セクターの動きをしっかり見つつ、関税の影響を受けにくい小売やサービス業といった内需関連の銘柄に分散投資するのも一つの手だと思います。
米国の主要企業決算、半導体とデータセンター需要の行方
ーーそのほか注目点はありますか?
米国の主要企業の決算、とりわけ半導体関連企業の動向です。ナスダックやS&P500が過去最高値を更新している背景には、生成AIやデータセンター需要の急拡大があります。
エヌビディア(NVDA)をはじめとする「マグニフィセントセブン」の決算は、市場全体のムードを左右するのは間違いないでしょう。
もしこれらの企業が予想を下回る決算を発表すれば、半導体セクターだけでなく、日経平均にも影響が及びます。
エヌビディアの株価下落は、東京エレクトロン(8035)やレーザーテック、アドバンテストといった日本企業にも連鎖的に影響を与えるでしょう。
ただし、データセンター需要は依然として強く、電力消費の増大に伴い、電力関連銘柄への注目が高まっています。
私は特に、関西電力(9503)や中国電力(9504)、九州電力(9508)といった原発関連企業に注目しています。
これらの企業は、データセンターの電力需要増加に対応するインフラとしての役割が期待されるため、長期的な成長が見込まれます。