マンション購入こそインフレ時代の「最強の資産形成」だ…専門家が断言するワケ 住むだけで資産が着実に増えていくカラクリとは

首都圏でマンション価格の高騰が叫ばれ始めて久しいが、「業界のしがらみゼロ」を掲げるマンション評論家のマンションマニア氏(@mansionmania)は、現在の市況をむしろ「買い手有利な時代」だと語る。いったいどういうことなのか。
20年以上にわたって首都圏マンションの市況をウォッチしてきた同氏に、今こそマンション購入を検討すべき理由や、資産価値が落ちにくい物件の見極め方、さらにはペアローンを組むなら守るべき絶対条件や具体的な狙い目エリアの実名まで、徹底解説していただいた。全4回の第3回。
※この記事は、みんかぶプレミアム連載「マンション・住まいで稼ぐ――シン富裕層への黄金ルート」の一部です。
目次
ペアローンのリスクヘッジは「物件」で取りなさい
最近は共働き世帯の増加に伴い、夫婦ふたりでローンを組む「ペアローン」が主流になっています。ペアローンを組むことで借入額を大きく増やせるメリットがありますが、同時に注意すべき点もあります。
ペアローンを組む際に最も重要なのは、お互いの今後のキャリアプラン、ワークライフバランスについて深く話し合うことです。「二人ともこのままフルパワーで働き続けるのか」「子育て期はどちらかが少しセーブするのか」など、将来の働き方によって世帯収入は大きく変わります。
そして、ペアローンで万が一のリスクに備えるために、私が最も強調したいのは「リスクヘッジは物件で取る」という考え方です。
ペアローンを組むなら守るべきたった1つの絶対条件
いったいどういうことなのでしょうか。ペアローンにおける最大のリスクは、離婚などによって家を売却せざるを得なくなったときです。シングルローンであれば、どちらかが住み続けるという選択肢もありますが、ペアローンの場合は売却が基本線となります。
その際、もし売却価格がローン残高を下回る「残債割れ」を起こしてしまうと、家を失った上に借金だけが残るという最悪のシナリオに陥ります。精神的にも金銭的にも、これほど辛いことはありません。
だからこそ、ペアローンを組むのであれば特に、「万が一の際に、売却すればローンをゼロにできる(あるいはプラスになる)資産価値の落ちにくい物件」を選ぶことが絶対条件なのです。売るに売れない物件を、夫婦2人の信用力をフルに使って買うことだけは、絶対に避けてください。
将来どうなるかは誰にも分かりません。だからこそ、せめて「モノ」=物件の資産性で、将来のリスクをヘッジしておく。これが現代のマンション購入における鉄則です。
“住む”という行為を「人生最大の資産形成」に変える方法
この2〜3年、マンション価格が劇的に上昇したことで、「マンションを買って一儲けしたい」と考える人が増えているように感じます。しかし、キャピタルゲインだけを狙った投機的な購入は、市況が読みにくい現在、大きなリスクを伴います。
私が推奨するのは、あくまで自分たちが住むという「実需」を満たしつつ、結果として資産形成にも繋がる「住みながら投資する」という考え方です。
そもそも、建物は年月の経過とともに古くなり、価値が下がっていくのが自然の摂理です。しかし、現代の首都圏、特に都心のマンション市場では、この常識が少し変化してきています。
インフレ時代にあなたの資産が勝手に増えていくカラクリ
もし、あなたが購入したマンションの価格が、5年後、10年後も購入時と変わらない価格を維持していたとしたら、それはどういうことでしょうか。
あなたは、本来であれば家賃として消えていたはずのお金を、資産に振り替えながら生活していたことになります。さらに、住宅ローンの元本は着実に減っていますから、その差額分があなたの純資産として積み上がっているのです。これこそが「住みながら投資」の本質であり、インフレ時代のマンション購入における最大のメリットです。
そして、今のインフレ経済下においては、モノの価値は下がるよりも上がる可能性のほうが高い。つまり、価格が維持されるどころか、購入時よりも高く売れる可能性すらあるのです。
資産形成で乗り遅れないための「ポジション取り」の絶対法則
では、この「住みながら投資」を成功させるためには、具体的にどのような戦略を取れば良いのでしょうか。ここでは、特に重要な3つの戦略をお伝えしましょう。