「海外投資家は日本株で大きく儲ける準備を整えている」ベテラン投資家が「決算書と四季報」を大切にするワケ

本稿で紹介している個別銘柄:神戸物産(3038)
株式投資歴30年を誇り、理論株価を用いた分析で多くの個人投資家に影響を与えてきた、はっしゃん@株Biz (@trader_hashang)さん。
そんなベテランでさえ、いや、ほとんどの個人投資家にとっても “インフレが常態となる相場”は初めての経験です。
未踏の環境でどう資産を守り、どう攻めるのか。今回は、円高局面での戦い方について伺いました。インタビュー全2回の第1回。
目次
投資の神様ウォーレン・バフェットが見据えていたもの
ーーはっしゃんさんは、株以外に為替も取引されていますか?
為替の取引はしていませんが、株式をやっている以上、為替は必然的に見ています。
ーー円高になった場合、海外投資家から株は買われにくくなるのでは?と思うのですが、いかがでしょうか。
円高は買いにくさに繋がる面もあります。とはいえ、実際にはすでに円安局面でかなり買い込まれています。海外投資家はそこで仕込んだポジションを上に持ち上げながら売り抜ける動きになっているように見えます。
ーーそうなると、下落するときのスピードは相当はやいかもしれませんね。
そういう側面もありますが、日本もこれからインフレに向かいます。たとえば「投資の神様」の異名を持つ米国の投資家ウォーレン・バフェット氏は円安の中で巨額投資をしましたよね。彼は、これから日本がデフレを抜け、10年20年と続くインフレに入っていくことを見据えていたのです。
海外投資家は、まさにこれから日本株で大きく儲ける準備を整えている状況だと思います。
ーーこの経済状況の中で恩恵を受ける「内需セクター」はどのようなところでしょうか?
時期によって変わりますが、直近では円高メリットが注目され始めています。これまで円安メリット株ばかりが買われていましたが、流れが少し変わりつつある。たとえば内需関連や円高メリットを享受する銘柄に資金が戻ってきている印象です。
大きな流れとしては、「円安メリット株から円高メリット株へのセクターローテーション」が始まりつつあると見ています。
ーー以前の取材で神戸物産(3038)を勧められていましたが、これは売られたのでしょうか?
いいえ。私は長期投資家なので基本的に売買はあまりしません。そのため、円安メリットで儲けるようなこともしていませんね。ポジションを変えていないので、「いま戻ってきたかな」という感覚です。

神戸物産に関しては、この円安局面でこの業績、株価だということですね。株価が先取りしつつありますが、円高になったら面白いでしょう。