バイセルテクノロジーズ、ラウンドワン・・・ベテラン投資家が「未踏の環境」で注目する銘柄5選

本稿で紹介している個別銘柄:バイセルテクノロジーズ(7685)、ソフトウェア・サービス(3733)、フィットイージー(212A)、Fast Fitness Japan(7092)、RIZAPグループ(2928)、イオン(8267)、ラウンドワン(4680)、ウェザーニューズ(4825)
株式投資歴30年を誇り、理論株価を用いた分析で多くの個人投資家に影響を与えてきた、はっしゃん@株Biz (@trader_hashang)さん。
そんなベテランでさえ、いや、ほとんどの個人投資家にとっても “インフレが常態となる相場”は初めての経験です。
未踏の環境でどう資産を守り、どう攻めるのか。はっしゃんさんが注目している銘柄を伺いました。インタビュー全2回の最終回。
目次
「米国の関税」は織り込み済み?
ーー日本は金利のある世界に突入し、米国からは高い関税がかけられています。これから“変わること”と“変わらないこと”はどんなことだとお考えですか?
たとえば自動車は、関税をすべて価格転嫁することは難しいですよね。現状では日本企業が利益を削って吸収している部分もありますし、転嫁した場合は米国の消費者の負担増となります。15%程度なら吸収できるかもしれませんが、長期的には影響がじわじわ出てくる可能性はあります。いまは「織り込み済み」として株価は上がっていますが、将来的にどう効いてくるかは注意が必要です。
しかも関税がいつまで続くかも分かりません。結局は「米国に工場を作って現地で雇用を生む」方向へ行くのかどうかにかかっています。トランプ大統領は、米国を“金融とハイテクだけの国”から“製造業を持つ最強の国”に戻すことを目指しています。日本企業もそこにどう乗っていくかが重要という局面にいると言えるでしょう。
ーー任期中にそこまでの成果を出すのは難しいですよね。
トランプ大統領は2期目ですし、時間的に厳しいでしょう。しかし、トランプ大統領が成果を示せば、民主党も追随せざるを得ません。共和党のジョー・バイデン元大統領もTPP(=環太平洋パートナーシップ)へ復帰しなかったように、米国にとって国民の支持がある政策は政権が変わっても引き継がれるものです。
そのため、トランプ大統領がその流れを作り、国民からの指示を得れば、“製造業を持つ最強の国”へ前進し続けるのです。
注目している銘柄5選はコレだ
ーー今、はっしゃんさんが注目している銘柄を教えてください。
今は「円高メリット株」に注目しています。私は予てから毎月の業績や経営状況などを載せた月次情報を公表している企業をおすすめしています。まずは、月次情報が好調な企業から紹介します。

出張買取サービスを運営する企業です。この企業は中古着物の買い取りや販売を手がけていて、最近は月次情報も好調です。着物は日本国内で膨大な量が眠っていて、資産価値自体が再評価されています。なにより、外国人からの人気も高まっているのです。従来は日本人の着物好きが中心顧客でしたが、今は訪日外国人も顧客層に加わっており、新しい需要が生まれているのが面白いところです。