「こんな物件を買うのは危険だ」不動産専門家が警告するワケ “避けるべき中古マンション”4つの特徴とは

高騰を続けるマンション価格を前に、多くの人が決断をためらっている。こうした状況の中、「値段が落ち着いたり給料が上がったりするのを待っていては手遅れになる可能性が高い」と警鐘を鳴らすのは、大手不動産会社で長らく不動産仲介に携わり、自身も25歳までに二度、武蔵小杉にマンションを購入したむさこボーイ氏だ。
プロの知見と実体験をもとに、首都圏マンション市況の現状から、初心者でも失敗しない「資産性」重視の物件選びの鉄則、さらには世帯年収別の狙い目エリアまで、同氏に本音でたっぷりと語ってもらった。全3回の第2回。みんかぶプレミアム特集「マンションはまだ稼げるか」第2回。
目次
不動産専門家が惚れ込んだ、武蔵小杉の知られざる価値
武蔵小杉をおすすめする2つ目の理由は、街としての完成度の高さです。近年の再開発により、武蔵小杉は非常に暮らしやすい街へと進化しました。特にファミリー層が多く住んでいることから、生活利便施設が驚くほど充実しています。
駅に直結した「武蔵小杉東急スクエア」や「ららテラス 武蔵小杉」、少し歩けば大型商業施設の「グランツリー武蔵小杉」があり、買い物に困ることはまずありません。また、クリニックなどの医療機関や保育園・塾といった教育施設も駅周辺に集積しています。
そして、武蔵小杉の象徴であるタワーマンション群も、そのほとんどが駅から徒歩5分圏内に立地しています。つまり、タワーマンションの住民は、これらの便利な施設を「ご近所」として日常的に利用できるのです。
仕事帰りに買い物をして、子どものお迎えに行き、クリニックに寄って帰宅する。そんな豊かな生活が、駅を中心としたコンパクトな動線の中で完結します。これが武蔵小杉の大きな魅力です。
武蔵小杉は初心者でも「失敗しにくい街」断言するワケ
3つ目は、不動産業界で働いている者ならではの視点かもしれませんが、物件の選択肢が非常に豊富であるという点です。
武蔵小杉はマンションの数が非常に多く、特にタワーマンションは現在13棟も林立しています。これにより、買い手は自分の価値観やライフスタイルに合わせて、多様な選択肢の中から住まいを選ぶことができます。
資産性を重視するなら駅直結の利便性が高いタワー、眺望や開放感を求めるなら高層階や方位条件に優れたタワー、デザイン性を重視するなら外観や共用部が特徴的なタワー、といった具合です。
このように、「資産性のあるタワーマンションが欲しい」という一つの希望の中でも、細かく比較検討できるのが武蔵小杉の強みだと言えます。もちろん、価格を抑えたい場合は、駅から少し離れた場所や、板状タイプのマンションを選ぶこともできます。
物件数が豊富だからこそ、予算やライフプランに合わせた「最適な一戸」を見つけやすいのです。
不動産仲介のプロがあえて語る“武蔵小杉のデメリット”
もちろん、完璧な街はありません。武蔵小杉にも弱点はあります。
一つは、「東京都ではない」こと。東京都の充実した子育て支援策の恩恵を受けられない点は、特に子育て世帯にとってはデメリットになり得ます。こればかりは、行政の境界線を越えられないため、どうしようもありません。
もう一つは、都心への「物理的な距離」です。電車でのアクセスは抜群に良いのですが、たとえば銀座からタクシーで帰宅しようとすると、7,000円〜8,000円はかかってしまいます。よく比較に挙がる湾岸エリアのタワーマンションであれば、1,000円~2,000円程度で帰れる距離感です。電車が動いている時間帯は問題ありませんが、深夜の帰宅などではこの差が少し重荷に感じるかもしれません。
ただ、これらの弱点も理解した上で、それでもなおコストパフォーマンスや優れた利便性、生活環境の良さといったメリットが上回ると、私は考えています。
初めてのマンション購入で守るべきたった1つの鉄則
ここからは、より実践的な話に入っていきましょう。特に、私と同世代の20代や30代前半で、初めてマンションを購入する「一次取得者」の方に向けて、失敗しないための戦略のポイントをお伝えします。