「失敗から学んで成長せよ」 AI・自動売買頼みに警鐘を鳴らすトレーダー議員の極意

米国トランプ大統領の関税政策で金融市場が混乱したが、交渉の進展やFRBの利下げ期待、AI・ハイテク企業の業績拡大の期待などによって、米国を中心に株式相場が上昇している。
今回も、トレーダー議員として活動している萩原圭一氏(@hagi_k1)にインタビュー。投資における成功・失敗のエピソードや、海外口座の活用、AI・自動売買の是非などについて話を伺った。連載全2回の最終回。
目次
感情を排除してエントリーを絞れ
ーー萩原さんのFX投資における成功のエピソードをお聞かせください。
成功エピソードというか、正直、トランプ大統領の気まぐれには感謝しています(笑)。今年の春頃は、関税をめぐる発言が二転三転したおかげで相場が激しく乱高下し、かなり収益をあげることができました。
また、最近の例だと、8月はじめにドル円相場が150円を超えたところで売りポジションを仕込み、9月中旬のFOMCでの利下げで145円台まで落ちたところで決済しました。これは、FRBの利下げと日銀の利上げ(将来の金利差)を見通して得られた成果です。
ーー前回の話にあったように、そういう有利なタイミングを待つことが大切なのでしょうか?
そうですね。特に裁量トレードでは、感情を排除してエントリーを絞ることが大切です。「儲けようとしない」ほうが結果的に儲かる。動かしているのはお金ではなく単なる数字として捉えると、欲から解放されて、冷静に判断できるようになります。
感情的な焦りがなければ、市場の動きを客観的に観察し、最適なタイミングを待てるようになります。有利な状況でエントリーしておけば、含み益の状態になりやすく、その後の決済の戦略も柔軟に立てられます。私は常に先手をとることを意識しています。
失敗から学び、スキルを身につけよう
ーー逆に、失敗エピソードはどうでしょうか。そこから得た学びも含めて教えてください。
トレードを始めた頃は、あまり利益が出ていませんでした。今思うと、感情(欲)が入ってしまっていたのでしょう。不用意にエントリーしたり、利益を確定しようと早く決済してしまったり・・・。
大きく負けるのはどういうときか?ということを振り返ると、それは、大きく勝った後なのです。大きく勝つと、調子に乗ってしまう(油断してしまう)からです。
投資においては、勝ったときよりも負けたときのほうが、実は成長につながるのです。お金を失う代わりに、その反省を通じてスキルが向上するからです。
私は同じ失敗を繰り返さないよう、エントリーの基準などのマイルールを何度も見直しました。裁量で売買するなら、マイルールは必ず守ること。自分自身の痛い経験があるからこそ守れるのです。