過熱しすぎ?資産2億円超“予想しない投資家”が教える「不確実相場」の勝ち筋

本稿で紹介している個別銘柄:エヌビディア(NVDA)、マイクロソフト(MSFT)
47歳で億り人になった桶井道|おけいどん(@okeydon)さん。資産2.1億円と年間配当250万円を築き上げ、現在は単行本や連載による情報発信を通じて投資の魅力を広めています。
新刊の投資小説『時をかける貯金ゼロおじさん 35年前に戻った僕が投資でゆっくり「億り人」になる話』(KADOKAWA)は、途中まで笑って最後は泣けて、投資の基礎や本質が学べると好評です。
今回は、桶井道さんに8月に史上最高値を更新した日経平均株価をどう見るのかを伺いました。
みんかぶプレミアム特集「株価最高値 日本株と米国株どっちが良い?」第3回。
目次
史上最高値の裏で広がる過熱感と不安要因
ーー日経平均株価が史上最高値を更新しました。率直にこの局面をどう評価されていますか?
夏枯れのアノマリーどおりにはならず株高で推移し、石破総理の退任決断からの上昇もあって、日本株は好調です。とはいえ、過熱感は否めません。さらなる上昇を望むには、日本企業の業績が伸びるかどうか注視したい展開です。
また、内政は不安定であり、米国のトランプ大統領の言動にも株価は揺さぶられ、政治的要因による下落も考えられます。いまも、トランプ政権以後も、需要が続くセクターへの投資に勝算があると思います。
日本株に立ちはだかる“トランプリスク”
ーートランプ関税の影響は、日本株にとってプラス要素・マイナス要素のどちらが強いと見ていますか?
関税はマイナスでしょう。関税が上乗せされた分だけ、日本企業の利益を圧迫します。つまり株価には不利ということです。
それでもなお、関税をマックスで乗せられずに済んだことは、まだ幸運だったと思います。目先ではトランプ関税は株価に織り込み済みかもしれませんが、じわじわ企業業績に影響する懸念があります。売上高、営業利益、営業利益率に目を配っていきます。
ーー関税発動後の相場の反応を見て、ご自身の想定と一致しましたか?
私はあらゆることを予想、想定をしません。自分の予想・想定通りに物事が動くはずがなく、また株価の反応も理由は常に後付けだからです。
長期投資の根拠は“世界経済の拡大”
ーーでは、今後も日本株は上昇していくとお考えですか?その根拠を教えてください。
世界の人口が増え続ける以上は、世界経済が大きくなっていくことは潮流です。つまり、需要が増え、そこに供給を増やせる企業は儲かります。
その前提で需要が成長する業界(分野)の優良銘柄を選んでいるならば、長期的に見れば株価は上昇すると私は考えています。したがいまして、業界分析と銘柄分析が最も大事と言えるでしょう。一方で、個人投資家が経済指標の知識を磨く必要性は感じません。