「言語・優待・割安感・・・日本株一択です」資産10億円超のベテラン投資家が明かす円安・インフレ時代の投資戦略

日経平均が史上最高値を更新する中、「日本株が“上がっているように見える”状態が続くでしょう」と語るのは、資産10億円超のベテラン投資家・DAIBOUCHOU氏(@DAIBOUCHOU)。
日銀の利上げ、FRBの利下げ、トランプ関税など、複雑な要因が絡み合う市場環境で、個人投資家がリスクを抑えながら利益を上げるにはどうすればよいのか。
今回は、内需株とバリュー株で資産10億円を築いたDAIBOUCHOU氏に市場の見通しや金融政策、リスク管理の具体策などを伺った。
みんかぶプレミアム特集「株価最高値 日本株と米国株どっちが良い?」第4回。
目次
日本株が“上がっているように見える”状態が続く
ーー日経平均が8月、9月と立て続けに史上最高値を更新しました。トランプ関税の影響もあって大きく動きましたが、これからも日本株は上昇していくと思いますか。
基本的に継続的な上昇を予想しています。ただ、これは株価自体が実質的に上がっているというより、円の貨幣価値が徐々に低下している影響が大きいですね。
インフレが進む中で、企業の本質的価値は変わらないのに、円建てで見た株価が名目上高くなるという現象です。
例えば、「金価格で割ってみると、株価の実質上昇はそれほど顕著ではない」という指摘もあります。不動産も同じで、古くなったマンションの価格が上がるのは、円の価値低下が主因です。要は、減価償却のペースをインフレが上回っているわけです。
なので、日本株が“上がっているように見える”状態が続くでしょう。円安インフレの流れが続く限り、株価は相対的に押し上げられるはずです。
また、2023年の東証によるPBR1倍是正や、累進配当・自社株買いの加速といった株主還元強化も追い風です。
従来は低金利の貯金が主流でしたが、配当利回り4%の株は下落リスクを考慮しても魅力的で、投資家層も変わってきています。
つまり、株主重視の経営が利益率を高め、利益成長が株価を支えるという好循環を生んでいるんです。
ーー下落のリスクについては、どのようにお考えですか。
複合的な要因で株価は上昇傾向を維持すると思いますが、年末商戦や地政学リスクなどのサプライズ要因は油断できません。ただ、大型株が強い昨今、トランプ関税の影響はかなり織り込まれていると思います。