首都圏マンション資産価値の「残酷な二極化」はもう始まっている…不動産エージェントが警鐘 価格高騰時代でも“損しない”物件選びの法則とは

首都圏のマンション価格高騰が止まらない。「今買って本当に損はないのか」という購入希望者の不安に対し、不動産エージェントのめちゃええジェント氏(@tonaia_gent)は、安易な「待ち」の姿勢は、優良物件が永遠に手の届かない存在になるリスクをはらむと警鐘を鳴らす。
業界経験豊富な同氏に、資産価値が上がるエリアや物件の見極め方から、意外な割安物件の見つけ方、さらにはおすすめのマンションの実名まで、具体的なノウハウをたっぷりと伺った。全4回の第1回。
※この記事は、みんかぶプレミアム連載「マンション・住まいで稼ぐ――シン富裕層への黄金ルート」の一部です。
目次
マンション価格高騰時代でも“損しない”物件選びの全技術
はじめまして。都内で不動産エージェントをしている、めちゃええジェントと申します。
普段はエージェントとして多くのお客様の物件探しをお手伝いする傍ら、Xを中心に首都圏、特に湾岸・日本橋・武蔵小杉エリアのマンションに関する情報発信をしています。
今この記事をお読みの方は、きっと「最近マンションが高すぎる…」「今、家を買っていいんだろうか?」「買うならどんな物件を選べば損しないの?」といった、様々な疑問や不安を抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
本日は、そんな皆さんの疑問に真正面からお答えするべく、現在のマンション市況の分析から、資産性の高い物件の具体的な選び方、さらには年収別のおすすめエリア・マンションまで、私の知識と経験を総動員して徹底的に解説していきたいと思います。
デベロッパーの論理を知り尽くしたからこそ伝えたい「本当の資産価値」の話
少しだけ自己紹介をさせていただきますと、私は新卒で三井不動産グループの企業に入社し、幅広い不動産業務に従事しました。その後、別の大手企業を経て、不動産エージェントとしての活動をスタート。現在は独立し、都心のタワーマンションを中心に数多くの物件とお客様をつないできました。
三井不動産グループ時代の経験、そしてエージェントとして様々なお客様の物件探しをお手伝いしてきた現場の視点。その両方を踏まえたリアルな情報をお届けできるかと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
「高いから今は待ち」は一番危険な選択だ
まず、現在の首都圏、特に東京都心のマンション市況について私がどう見ているか、率直にお話しします。
結論から言うと、「めちゃくちゃ高い」というのが偽らざる本音です。でも一方で、ここからまだ上がるだろうな、とも考えています。
毎日物件情報を見ている私自身が「高いなあ…」と思いながら日々過ごしているくらいですから、皆さんが「高すぎる」と感じるのは当然のことです。
この10年、アベノミクス以降の金融緩和、インフレ、需給バランスの変化、などあらゆる複合的な要因を背景に、都心のマンション価格は右肩上がりに上昇を続けてきました。
しかし、この上昇は単なるバブルではなく、「そもそも都心の不動産が安すぎた」という側面もあったと思います。海外の主要都市、例えばニューヨークやロンドン、香港などと比較すれば、東京の不動産価値が見直され、価格が上昇していくこと自体に、私は大きな違和感はありません。
そして、重要なのはここからです。この「高い」状況にあっても、なお「まだ上がる」と考えるのには、短期・長期両面での明確な理由があります。
今後の価格上昇が“ほぼ確定”しているという不都合な真実
まず短期的な視点、つまり「ここ数年」というスパンで見た場合、価格上昇はほぼ確実だと見ています。