マンション一次取得者が陥りがちな不動産購入「4大トラップ」に識者が警鐘 “堅実”な住宅ローン計画があなたを貧しくするワケ

高騰を続ける都心マンション価格を前にして、なかなか購入に踏み切れずにいる人も多いだろう。しかしXで人気を博すマンション投資家のパンダ不動産氏(@timeisresidence)は、「待つ」ことこそが最大のリスクだと断言する。
インフレ時代においてはマンションを「買わない」ほうが資産防衛の観点からもリスクが高いと喝破する同氏に、資産価値が落ちにくい物件を見抜く「3つの黄金法則」や、住宅ローンのメリットを最大限活用した購入戦略、さらには世帯年収別に今狙うべき具体的なエリアとマンションの実名などを詳しく語っていただいた。全4回の第3回。
※この記事は、みんかぶプレミアム連載「マンション・住まいで稼ぐ――シン富裕層への黄金ルート」の一部です。
目次
“堅実”なローン計画があなたを貧しくするワケ
不動産購入における2つ目の掟は、「与信はめいっぱい使え」です。「借金は怖い」「返済額はなるべく抑えたい」——。特に上の世代の方々からは、そういった声が聞こえてきそうです。しかし、インフレ時代の不動産購入において、その考え方は改める必要があります。住宅ローンという低金利の「良質な借金」は、資産形成のための強力なエンジンです。
重要なのは、「返済額の小ささ」ではなく「資産価値の高さ」です。
予算を抑えるために、与信(借入可能額)を使い切らずに中途半端な価格の物件を買ってしまうと、資産価値が伸び悩んだり、下落したりするリスクが高まります。一方で、与信を最大限に活用し、少し背伸びをしてでも資産性の高いエリア・物件を購入すれば、将来的な値上がり益がローン返済の負担を大きく上回る可能性があります。リスクを避けるつもりが、かえって大きなリスクを抱え込むことになりかねないのです。
離婚が怖い人ほど「ペアローン」を組むべきだ
ペアローンも積極的に活用すべきです。夫婦の与信を合算することで、より高額で資産性の高い物件に手が届きますし、居住用財産の3000万円控除がダブルで使えることも効いてきます。
「離婚したらどうするんだ」という心配も分かりますが、むしろ逆です。私が見てきた事例では、ペアローンで資産性の高い都心マンションを購入し、大きく値上がりした結果、万が一離婚に至った際も、その売却益によって金銭的な揉め事がなく、円満に財産分与ができたというケースが少なくありません。資産に余裕があることは、あらゆるライフステージの変化に対するセーフティーネットになるのです。
マンション購入で「逆張り」を狙う素人の悲惨な末路
3つ目の掟は、「順張りを意識する」です。多くの人が「良い」と思い、人気が集まっている王道のエリア・物件を選ぶことが、成功への一番の近道です。
具体的には、エリアであれば都心3区(千代田・中央・港)や湾岸、城南や都心近郊の城東エリア。デベロッパーで言えばメジャーセブンなどの大手。そして建物のタイプはタワーマンションや大規模マンションといった、いわば「ミーハー」な選択です。誰もが知っていて、誰もが住みたいと思う物件は、それだけ需要が底堅く、将来にわたって価値が下がりにくいのです。
「まだ評価されていない穴場エリアを発掘して、値上がりを狙う」といった逆張りの戦略は、相応の知識と経験を持つプロの領域です。一般の方が手を出すと、大きな失敗につながるリスクがあります。成功確率の高い王道を行くことが、賢明な判断です。