株価最高値を更新「お金がどこに向かっているか・・・」テンバガー投資家が「主要国の金利差」を意識するワケ

10月の高市早苗政権発足は、マーケットの活況を呼び込んだ。日経平均株価は市場最高値を更新し、円安も進む「高市トレード」は国内外の注目を集める。
米国の関税政策も気になるところだが、生命保険大手は2025年度の株価予測を修正し、来年には5万4000円に達するとの見通しもある。
では、株価はどこまで上がるのか。そして、投資家たちは何に気をつけるのか。
今回は、証券マンを経て、IR支援会社「フェアマネー」を立ち上げた代表取締役社長・永尾浩平(@FairMoney_Japan)さんに「守るべき投資ルール」などについて語ってもらった。インタビュー全2回の最終回。
目次
「IR支援の現場」IPOのロードショーから決算説明資料まで
ーー今、永尾さんの会社ではどのような業務をされていますか?
大きな枠で言うと、IR支援です。具体的には二つの柱があって、一つはIPOのロードショーで使用する「ロードショーマテリアル」という資料作成です。
企業の本格的な上場準備期間は2年ほどあるのですが、上場の約1か月前に行われるのがロードショーです。
ロードショーとは機関投資家に自社の紹介を行う1時間のプレゼンの場です。
だいたい3週間ほどで30-40社ほどの機関投資家と面談をしていきます。
ロードショーの結果で上場する際の株価が決まるとても大事なプレゼンの場となりますので、企業はそこに向けて時間をかけてロードショーマテリアルを作成します。当社はその作成支援を行っています。
ーー業務の二つ目の柱を教えてください。
もう一つは既上場企業のIR資料作成です。IPOからそのまま上場後の支援につながるケースが多いのですが、IPO前と上場後では作成する資料が異なります。上場後は四半期の決算説明資料の作成が中心となっています。
その過程で、当然ながらインサイダー情報に触れることもあります。そのため、当然ながらそれらに関連する個別株投資はできません。
今回は「プロの僕が投資をするなら『こうやる』」という視点でお話させていただきます。
「信じた銘柄は、どんどん買い増していい」
ーー投資業界20年以上の永尾さんにお伺いします。ズバリ、株の「買い時」はいつだとお考えですか?
買い時で悩む人は多いですが、信じた銘柄ならいつ買っても良いと思います。どんどん上がって行っても買い増して良いのではないでしょうか。「企業の歩み」を見て、共に成長していくスタイルが一番良いと考えています。
そして、売り時ですが、自身の資産の一部として株式を組み入れていく場合、一定数は売らずに保持すべきです。キャピタルゲインで生活できる人はごく一部で、むしろ、自分の事業や仕事で収入を得ながら、キャピタルゲインを「楽しむ」くらいの心構えがちょうど良いでしょう。
損切りは前提が変わったときに
ーー損切りの判断はどうされていますか?
僕は定量的なルールではなく、定性的な判断しかできないタイプです。自分が信じた会社の成長戦略の前提がまるで変わった時、それが損切りのサインだと思いますね。
ーー具体的には?
たとえば「この戦略だから買っていた」場合、その戦略自体が大きく変わってしまった時は、潔く手放すタイミングだと思います。