「借金は自己成長のための投資だ」早実野球部→負債400万円→資産10億円・・・元高校球児投資家が築いた「素直力」マイルール

物価高と将来不安が続く昨今、「投資を始めたいが元手がない」「貯金ゼロでは難しい」と足が止まる人は少なくない。だが、そこで思考を止めれば、状況は一歩も動かないのもまた事実だ。
「お金がないからこそ、まずは“自分自身”に投資するべき」。そう語るのは、28歳で1.5億円を築き、現在は総資産10億円に至った武藤孝幸氏だ。
武藤氏は、早稲田実業野球部(春の甲子園ベスト8)から早稲田大学社会科学部へ進学し、卒業後は三井住友信託銀行で資産運用の現場を経験。この実務経験をもとに、現在は株式会社VisionCreatorの代表としてマネーリテラシー教育を展開している。
彼は年収300万円、借金400万円の時期もあったというが、いかにして現在の資産額に至ったのだろうか。今回は、そんな武藤氏の投資遍歴をたどりつつ、失敗から得た投資のマイルールについて話を伺った。インタビュー連載全3回の第1回。
目次
「借金400万円は、投資だ!」
ーーまず、武藤さんの投資の遍歴から伺います。投資とは無縁の人生だったと伺いました。
そうですね。早稲田実業時代は公式野球部に所属し、野球に没頭していました。
春の甲子園に出場しベスト8まで進出したことからもわかるように、野球しかしていませんでした(笑)。
野球部引退後は、早稲田大学へ進み、そこで金融知識を学び始めました。公認会計士を目指していましたが、挫折して就職することにしました。
将来はお金持ちになりたいという思いが強く、どうするのが一番の近道かを考えた結果、お金持ちと接点を持って教えを乞う方が早いと気づき、金融業界に進むことにしました。新卒で三井住友信託銀行に入行し、不動産営業を通じて富裕層の方々から、どのように資産を形成してきたのかを尋ねていきました。
その後、銀行を辞めて、投資を本格的に始め、現在は自身が培った投資の知識、騙されない情報の見抜き方などを伝えるマネーリテラシーを教えるスクールを展開しております。
株式や不動産などに投資し、現在は資産10億円を築き上げることができました。
ただ、年収300万円のサラリーマン時代は借金が400万円まで膨らんだことがあります。
ーー借金400万円を抱えたのはなぜだったのでしょうか?
主に奨学金と、大学時代に目指していた公認会計士スクールや英会話などの費用の返済ですね。
当時は不安もありましたが、当時は「これは単なる負債ではなく、自己成長のための投資だ!」と捉えていました。
お金がないからこそ、まずは“自分自身”に投資するべき、というのが私の考えです。自己投資は、資金がなくても始められる唯一の投資だと思います。
ーー「資金がなくても」と言いますが、自己投資にもお金はかかりますよね。当時、借金返済で首が回らない中、どうやってその資金を捻出したのですか。
お金がなかったサラリーマン当時、たまたま見かけた「自己投資プログラム」なるものに35万円かけて参加しました。
ただ、資金は当然なかったのでカードのキャッシング枠で捻出しましたね。
ーー借金がある中でさらにキャッシングというのは、かなり思い切った決断のように聞こえます。
そうですよね。ただ、この決断によって、今も関係が続く富裕層の方たちとつながる大きなきっかけになりました。
自己投資の魅力は、2つの利益をもたらす点にあります。1つ目は「直接利益」、つまり投資やビジネスのノウハウといった実践的なスキルです。
2つ目は「間接利益」、つまり人脈です。成功者や億超えの資産家が集まるコミュニティに身を置くことで、情報も集まりますし、自分の視座や基準も劇的に変わったと思います。