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インフレ時代に現金比率45%?総資産10億の元早実甲子園球児が備える「生き抜く」ための投資術

(c) AdobeStock

 かつてドル円は100円前後、コロナ前でも1ドル=110円程度が目安だった。だが、近年はインフレの進行で現金の実質価値が目減りし、為替は円安の局面が続いている。

 そんな時代の中で「現金比率は45%です」と語るのが、総資産10億円の元甲子園球児投資家・武藤孝幸氏だ。

 彼は早稲田実業野球部時代に甲子園ベスト8を経験し、早稲田大学卒業後に三井住友銀行に入行。自身で投資を始めたいという理由で脱サラし、400万円の借金を経て現在は資産10億円超えを達成している。

 なぜ、あえて現金を多く持つという選択をしているのだろうか。また、残りの資産はどう配分しているのか。今回は、武藤氏のポートフォリオ設計と情報収集術、そして相場の見方を伺った。インタビュー連載全3回の最終回。

目次

「守りこそ最大の攻め」ポートフォリオ

ーーまず、現在の武藤さんのポートフォリオについて教えていただけますか。 

 以下のような構成となっています。 

・現金45%

・米国株40%

・仮想通貨5%

・債券5%

・ゴールド5%

ーー現金比率が45%というのは、非常に高いですね。インフレが続く現状では「現金の価値は実質的に目減りする」という意見がありますが、これはどのような意図があるのでしょうか。

 私が一貫して重視しているのは、「どんな状況になっても生き残れるようにしておくこと」です。極端な話、もし明日マーケットが大暴落しても、生活も事業も回し続けられるようにしておきたいんですね。

 そのうえで、現金を厚めに持っている大きな理由のひとつが「納税資金」です。事業収入や売却益が増えると、日本円でまとまった税金を支払う必要が出てきます。ここを軽視してフルインベストしてしまうと、いざ納税のタイミングで「含み損だけど泣く泣く売る」という最悪のパターンになりかねません。

 そうならないように、納税分を含めて現金をしっかり確保したうえで、米国株や仮想通貨にも振り分けています。最近は不動産の勉強も進めていますし、フェラーリや時計といった実物資産も、どう転んでも対応できるようにするためのポートフォリオの一部だと考えています。

ーー「攻め」の投資だけでなく、暴落という最悪の事態を常に想定し、どちらに転んでもよいように多様な資産で備えている、と。

 守りであると同時に、「攻め」の準備でもあります。もし本当に暴落が来たら、この現金が最大の武器になる。多くの人が恐怖で投げ売っているときに、冷静に優良な資産を買い向かうことができますから。

ーーその「どちらに転んでもいい」という考え方で、残りの15%を仮想通貨、債券、ゴールドに5%ずつ振り分けているわけですね。

 ええ。ゴールドや債券は伝統的な守りの資産ですし、仮想通貨は株式とは異なる値動きをする可能性に賭けています。

 すべてにおいて「絶対」はないからこそ、どうなってもよいように、あらゆる事態を想定して対策を打っています。

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この記事の著者
武藤孝幸

投資家/株式会社VisionCreator代表取締役 1992年東京生まれ。早稲田実業高校(春甲子園8強)、早稲田大学社会科学部卒業。三井住友信託銀行で不動産営業を担当。銀行員時代に自身も金融商品に興味を持ち、独立。28歳で純資産1.5億円を築き、現在の総資産額は10億円。マネーリテラシー教育を主軸に事業を行う。書籍に『高速資産形成術』(ビーパブリッシング)、『死ぬときに後悔しないための幸せなお金の貯め方・稼ぎ方・使い方』(ビーパブリッシング)など。

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