10年で資産1億円を築いた“億り人”投資家のグロース株で勝つ秘訣

本稿で紹介している個別銘柄:タカトリ(6338)
神戸投資勉強会を主催するキリン氏(@yudu1105)は、グロース株投資で資産1億円を達成している。
2025年のグロース株は低迷が続いたものの、キリン氏は2025年もプラスのパフォーマンスを維持しているという。
グロース株投資の達人、キリン氏に2025年相場を振り返っていただくとともに、グロース株で勝つ秘訣をうかがった。インタビュー連載全2回の第1回。
目次
34歳、資金150万円から株式投資スタート
ーーキリンさんと言えば、兼業投資家ながら神戸投資勉強会の主催者として知られています。また、ご自身も株式投資による億り人です。最初に株式投資を始めた経緯を教えてください。
私は子どもの頃から数字が好きで、株式投資は以前から興味がありました。しかし、当初は会社の部署の関係で株式投資ができず、その後の異動で株式投資ができるようになり、実際に始めたのは2015年34歳の時です。資金150万円から株式投資をスタートしています。
ーー株式投資デビュー後、約10年で資産1億円を突破したとうかがっていますが、順調に資産は増えたのでしょうか?
決してそんなことはありません。大きな損を何回も出すなど苦しみました。数百万円の資金を億円単位まで増やす凄腕投資家もいますが、私はそこまで取引が上手ではありません。私は兼業投資家であり、コンスタントに入金を続けました。これまで、株式投資に約2000万円を使っています。
ーーどんな手法で投資しているのでしょうか?
PER20倍以下の高すぎないグロース銘柄の中長期投資です。近年のバリュー株投資や大型株投資の流れから取り残された感もありますが、グロース銘柄でこれまで利益を出してきたので、そのままの投資スタイルを継続中です。
ーーなぜグロース銘柄の投資を手掛けるようになったのですか?
私が株式投資を始めた頃は、バリュー株や大型株はあまり動かず“投資するならグロース株”という状態でした。また当初は投資資金も少なく、配当株投資では資金は増えないため、配当株投資の選択肢もありませんでした。株式投資を始めた頃の時代背景と、その後の試行錯誤でグロース株投資により利益が出せるようになり、現在に至ります。
トランプ関税ショックも、プラス15%のパフォーマンス
ーートランプ関税ショックそして夏からの株価上昇と、変化に富んだ2025年の株式市場ですが、キリンさんはどのように振り返りますか?
日経平均株価は5万円を超えましたが、個人的なパフォーマンスは損を出していないものの、日経平均株価の上昇に及びません。日経平均はソフトバンクG、ファーストリテイリング、アドバンテストに東京エレクトロンといった特定の銘柄の株価に大きく影響されるため、私の手法では今年の株価上昇に乗ることは難しかったです。
ーー今年もグロース株は低迷が続きました。
そうですね、昨年からのバリュー株や大型株重視の流れが今年も続きました。私の主戦場のグロース株には厳しい環境が続いています。グロース株がスルーされている状態が続いており、来年はグロース株に注目される流れを期待したいですね。
ーートランプ関税ショックの影響はありましたか?
2025年後半の上昇相場に乗れなかった反面、トランプ関税ショックの影響もそれ程受けていません。グロース株低迷の影響のほうが大きいですね。日経平均は2025年約30%上昇していますが、私はグロース銘柄中心で苦労しました。それでもマイナスにはならずに、プラス15%程度で着地できそうです。ちなみに、株式投資でマイナスになったのは2018年だけです。