2026年の「主役」は?投資歴30年の著名投資家が注目する3つの要素

本稿で紹介している個別銘柄:トライアルホールディングス(141A)、サイゼリヤ(7581)、ギフトホールディングス(9279)、アップガレージグループ(7134)、Buysell Technologies(7685)
株式投資歴30年を誇り、理論株価を用いた分析で多くの個人投資家に影響を与えてきた、はっしゃん@株Biz (@trader_hashang)さん。
インフレ時代を象徴する銘柄として注目している4選を教えてもらいました。
みんかぶプレミアム特集「株価6万円突破?高市トレード爆発の行方」第3回。
目次
円安・海外展開・消費税・・・
ーー今年も来月で終わりです。2026年に主役になりそうなテーマについて、はっしゃんさんはどうお考えですか?
まず注目したいのは「円安の行方」と「海外展開」。そしてもう一つ、もし高市早苗政権の影響が出るとすれば、個人的に面白いテーマだと思っているのが「消費税」です。
ーー「消費税を下げる可能性がある」とお考えですか?
多くの人は「それは無理だろう」と思っているでしょう。まずは「ガソリンの暫定税率引き下げ」から着手するのは確実で、その後、どのような形で税制を見直すか。
個人的にも、現時点で消費税を本格的に下げるのは難しいと思いますが、選挙が近づくタイミングや、何か政治的な問題が浮上したときには、検討の場に上がる可能性はあります。
実際、今回も「一律給付は行わない」と明言しながらも、維新の会などからの圧力もあって「消費税に関しては議論する余地を残す」としています。
そうした背景を考えると、消費税減税に関する動きが出てくる確率は「2〜3割程度」でしょう。実現までは難しいとしても、「議論が始まる」だけでも相場が動く可能性があります。割安な内需株の中には、その影響を受けて上昇する銘柄がまだまだ多く眠っています。
ーーどんな銘柄に注目していますか?
内需の中でも食品メーカー、それから外食産業と呼ばれる分野に注目しています。このあたりは今後も堅調な需要が見込めますし、原材料コストが落ち着けば業績改善の波が来ると見ています。
ーーはっしゃんさんは以前の取材で、トライアルホールディングス(141A)を注目銘柄として挙げていらっしゃいましたよね。
トライアルに関しては、依然として面白い位置にあると思っています。都内でも小型店を展開するなど、事業の幅を広げていて、動きがとても興味深いです。株価としては少し下がってきていますが、それは“先行投資による一時的な業績悪化”が要因です。

私は長期投資なので、短期の値動きよりも「理論株価との乖離」を重視しています。理論株価が上がっていて、実際の株価が下がっている。この状態はむしろ良い流れです。トライアルのように先行投資で一時的にへこんでいる銘柄は、将来的な回復局面に入る前触れと捉えています。
今後、新しい業態が登場してくればさらに面白くなりますし、月次情報を公開しているので、業績変化をチェックしやすい点もおすすめポイントのひとつです。もし仮に消費税の減税などが実現すれば、同社のようなディスカウント業態は大きな恩恵を受けます。イオンなどはすでに株価が上昇していますが、同じく小売・流通系の他企業にも波及効果が期待できると思います。