“いつでも売れるマンション”を買えば人生が激変する…「日本の人口が減るから不動産は暴落する」の根本的な勘違い
首都圏のマンション価格が歴史的な高騰を続けている。「もはや普通の会社員には手が出ない」「いつかバブルは弾ける」――そんな悲観論が漂う中、あくまで生活者の視点で冷静な分析を発信し続けるのが、Xで支持を集めるブリリアント氏(@PageTurner_and)だ。
インフレが続く現代において、会社員はどのように物件を選べばいいのか。年収ごとに狙うべき「勝てるエリア」はどこか。残酷な市況を生き抜くための「マンション購入の全戦略」を、同氏に解き明かしていただいた。全5回の第2回。
※この記事は、みんかぶプレミアム連載「マンション・住まいで稼ぐ――シン富裕層への黄金ルート」の一部です。
目次
マンション価格「下落」を待つことが無意味なワケ
私が「今後もマンション価格はじわじわと上がり続ける」と考える二つ目の根拠は、建築費そのものが高騰し続けている点です。これには「円安」と「人手不足」という、構造的で根深い二つの要因が絡んでいます。マンション建設には、鉄鋼、セメント、木材、そしてそれらを動かす重機の燃料など、海外からの輸入に頼る資材やエネルギーが不可欠です。現在の歴史的な円安傾向が続けば、それらの輸入コストは当然上昇し続けます。
また、建設業界は深刻な人手不足に喘いでおり、職人の高齢化も進んでいます。いわゆる「2024年問題」による労働時間規制の強化も、人件費の上昇に拍車をかけています。これらの要因は複合的に絡み合っており、どれか一つが解決したとしても、建築コスト全体が劇的に下がることは考えにくいのが現実です。こうした状況では、新築マンションの価格がすぐに下がることは考えづらく、中古市場の価格もそれに引きずられる形で上昇を続けていくと思われます。実際に、最近の新築マンションには少し前では考えられない価格がつけられており、価格が発表されるたびにSNSでは衝撃の声が上がっています。
「日本の人口が減るから不動産は暴落する」の根本的な勘違い
そして三つ目の根拠が、東京23区における住宅需要が極めて旺盛であることです。「日本は人口減少社会に突入したのだから、不動産需要も減るはずだ」と考える方もいるかもしれませんが、それはマクロな視点とミクロな視点を混同しています。
日本全体の人口は減っても、東京、特に23区への人口流入は続いています。コロナ禍で一時的にリモートワークが普及し、郊外の人気が高まると予想されましたが、実際にはそのようなことにはなりませんでした。今や都心人気の流れはより鮮明になっています。最新の予測では、23区の人口は少なくとも2035年頃まで増加が続くとされており、しかもこのピーク予想の時期はどんどん「後ろ倒し」になっているのが現状です。もちろん、その背景には外国人の流入増加などもあります。
さらに重要なのは、ピークを過ぎた後も人口はほぼ横ばいで推移し、「2065年時点でもようやく2010年頃の人口水準に戻るだけ」という予測がなされている点です。40年先ですら、今よりも少し前の時代に戻るに過ぎない。これだけの需要が見込まれるエリアで、不動産価格が大きく下落することは需給要因では考えにくいでしょう。