「暴落は油断した時に必ず来る!」300万円→3億円超の著名投資家が来年に注目する「大きな流れ」

300万円で株式投資を開始し、5年で1億円を達成した後、現在は3億円超を運用するkenmo(@kenmokenmo)さん。
著書「5年で1億稼ぐ株式投資 給料に手を付けず爆速でお金を増やす4つの投資法」(ダイヤモンド社)はベストセラーに。
中小銘柄にも注目し、「今」の波に乗るのが得意なkenmoさんに、この相場での戦い方について伺いました。インタビュー連載全3回の第1回。
目次
株価上昇要因を分析
ーー日経平均株価が5万円に乗りましたが、kenmoさんの持ち株も恩恵を受けましたか?
私自身は「乗れた」という感覚はありませんし、ほとんどの投資家も同じだと思います。日経平均株価は全体相場の平均ではなく、株価上昇を牽引したのはソフトバンクグループ、アドバンテスト、東京エレクトロン、この3銘柄です。
全ての投資家がこの3銘柄だけを買っていれば、この上昇の波に乗れたと思いますが、99.9%の投資家はそうではないでしょう。インデックス投資をやっている人は当然この波に乗れたと思いますが、個別銘柄を中心に運用している投資家は、「ついていく」「対応する」といった形になっているのが現状だと思います。
8月〜9月の決算シーズン明け頃は、上がっている銘柄にとりあえずついていくという対応をしていましたが、10月後半になるとAI相場の過熱感がかなり強くなってきて、「どこで降りるか」という局面に変わってきました。
このまま最後まで乗り続けると、さすがに「クラッシュに巻き込まれる」と思ったので、10月〜11月はもう完全に見送りの姿勢でした。上がっていくのはしょうがないと割り切っています。
ーーでは、今回の株価上昇についてはどう見ていますか?
今回の株価上昇の背景には大きく二つの要素があると思っています。ひとつは「短期的な要因」、もうひとつは「中長期的な流れ」です。
まず短期的な視点で見ると、トランプ関税ショック以降、AI関連銘柄に対する投機的な値動きが強まり、いわば「AIバブル」のような雰囲気を感じます。相場関係者のあいだでも、SNS(特にX)のタイムラインを見ても、その雰囲気は伝わってきます。
ただ、経験上「皆がバブルを警戒している間は、意外とバブルは弾けない」ものです。株価がどこまで行くかは誰にも分からない。ただ私の基本的な考え方としては、「上がっているから乗る」ではなく、「ボラティリティが大きくなってきたらポジションを減らす」というスタンスです。
また、このAI相場がどこまで行くかを予想しても意味がないと考えています。プロですら予測するのが難しいのに、一個人投資家が予想できるものでもないでしょう。
インフレが株に与える影響は?
ーー中長期の視点ではどんな変化があると見ていますか?
中長期の中にもさらに二つの要素があります。まず一つ目が全体的な流れが「インフレ」です。これまでのデフレからインフレへの転換によって、企業が「価格改定=値上げ」を行える時代になってきました。
以前なら、100円の商品を120円に値上げすることは消費者に受け入れられませんでしたが、今はコスト上昇を理由に「申し訳ないけれど値上げします」と言えば、社会的にも許容されるようになってきています。つまり、ボトムアップ的に「値上げが当たり前」というマインドが、社会全体に浸透してきたのです。