伝説の投資家cis氏・片山晃氏を100億円投資家・テスタ氏はどう見ているか… これから始める投資初心者へのアドバイス「野球をやったことのない少年にポジションは決められない」

資産100億円超の個人投資家・テスタ氏への新春特別インタビュー第2回。前回は相場の不確実性とリスク管理についてお話を聞いたが、今回はより実践的な「投資手法」に焦点を当てる。デイトレードから長期投資、不動産まで多様な投資を経験してきたテスタ氏が語る、自分に合った投資スタイルの見つけ方とは。そして、話題の「あの投資家たち」との比較から見えてくる“正解のない投資の世界”を深掘りした。
取材・文/ちょる子
目次
「cis氏」と「五月(片山晃)氏」。対極の二人が示す、投資に正解はないという真実
株式市場には“伝説”と呼ばれる投資家たちが存在する。テスタ氏もその一人だが、その代表格として挙げたのが、圧倒的な相場観と需給読み(テクニカル)で巨万の富を築いたcis(シス)氏と、徹底した企業分析(ファンダメンタルズ)で資産を拡大し続ける五月(片山晃)氏だ。どちらの投資家も3桁億円超の資産を株式投資で築いている。
「最近、見ていて面白いなと思うのは、cisさんと五月さん。この二人はまさに対極の存在です。見ている指標も、考えていることも、取引手法もまったく違う。でも、二人とも投資の世界でとんでもない結果を出していますよね」
手法は真逆でも、どちらも巨万の富を築いている。この事実こそが、「投資にたった一つの正解は存在しない」ことを雄弁に示している。
「需給で戦うcisさんの感覚には僕もすごく共感できますが、一方で五月さんの分析の深さにもいつも圧倒されます。つまり、株式投資という同じ競技の土俵に立っていても、その戦い方には人それぞれの向き不向きがあるんです。だから、初心者の方には“フォロワーが多いから”とか“みんなが凄いと言っているから”という理由だけで誰かの手法を真似するのは危険。自分にとって何が必要で、何が不要か。その取捨選択こそが、投資家としての寿命を決めると思っています」
「野球をやったことのない少年」にポジションは決められない
では、投資初心者はどうやって自分のスタイルを見つければよいのか。テスタ氏は「野球」を例にこう語る。
「僕は、自分の投資スタイルを確立するには、まずは一旦“全部やってみるべき”だと思っています。たとえば野球を一度もやったことがない少年に、『君はピッチャーに向いている』とか『キャッチャーをやるべきだ』なんて、誰にも分からないですよね。本人だって分からないはずです。
実際にボールを投げてみたら肩が強かった、バットを振ってみたらパワーがあった、走らせてみたら速かった…。練習して、試合に出てみて初めて自分の適性が分かるものです。投資もこれとまったく同じです」
「最初から『自分は長期投資派だ』とか『デイトレード一本でいく』と決めつけないほうがいい。食わず嫌いせずに、全部経験してみるべきです。僕も最初はデイトレードから入りましたが、四季報を買ってファンダメンタルズの勉強もしました。やっていく中で『これは今の自分には必要ないな』と削ぎ落としたり、『やっぱりこの指標は見るべきだ』と拾い上げたりして、自分のスタイルが形になっていきました」