退職金を受け取った直後は危険?ファイナンシャルアドバイザーが教える「資産運用」でやってはならないこと

資産1億円と聞くと、どんなイメージを持つだろうか。事業で成功した経営者や、株式投資で当てた投資家、代々の資産家、そんな「特別な人」を思い浮かべるかもしれない。
だが、独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)として3000億円超の資産を預かるファイナンシャルスタンダード株式会社の福田猛社長は次のように語る。
「資産総額1億円は誰でも到達できます。むしろ、株高の継続によって普通の会社員の方からも『気づいたら手に余る額まで資産が増えていた』という相談も増えています」
一体どんな人が、大きな資産を手にしているのか。私たち「普通の会社員」でも資産1億円を達成する方法とはー。連載全3回の最終回。
目次
資産は知らないうちに目減りする
第2回では、資産2,000万円を超えたら狼狽売りを避けることが大切だとお伝えしました。実はここからが本当の勝負なんです。なぜなら、資産が大きくなればなるほど、インフレや税金の影響も大きくなるからです。
例えば、資産が100万円の人と5,000万円の人を比べてみましょう。物価が年2%上昇した場合、100万円の人は実質2万円分の価値が失われます。でも5,000万円の人は、年間100万円分の価値が失われるんです。同じ2%でも、金額にすると50倍の差がある。
さらに見逃せないのが税金の問題です。日本の所得税の最高税率は45%、これに住民税10%を加えると、合計で約55%になります。相続税の最高税率も55%。資産が大きくなればなるほど、税金の負担も重くなっていきます。
これは先進国の中でも高い水準なんです。例えば、アメリカの連邦所得税の最高税率は37%、イギリスは45%。相続税についても、そもそも相続税制度自体が存在しない国もあります。
特に相続が発生したとき、突発的に数千万円の納税が必要になるご家庭も少なくありません。
金融商品だけ考えても失敗する
ここで私がよく見るのが、まとまった資産を手にしたタイミングで、準備もないまま慌てて対策しようとして失敗するケースです。
例えば、退職金2,000万円を受け取った方。銀行から「運用しませんか」と声をかけられて、窓口で勧められるまま投資信託を購入した。ところが、その直後に株価が下落。慌てて売却して、数百万円の損失を出してしまった。
あるいは、親から数千万円を相続した方。「相続対策を」と勧められて、よく分からないまま不動産投資や保険商品を契約してしまう。でも、自分のライフプランに合っているのか、本当に必要なのか、よく理解しないまま契約してしまっている。
こうした失敗に共通しているのは、目の前の金融商品だけを見て判断してしまっていることです。
資産防衛を考えるには、法律や制度をトータルで見る必要があります。なぜなら、インフレ対策、税金対策、相続対策は、それぞれ別々に考えるものではなく、すべてが連動しているからです。