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決算繁忙期通過で狙うべき注目セクターは?プロが実践するAI特需の先回りデータ分析術

本稿で紹介している個別銘柄:フジクラ(5803)、住友電気工業(5802)、古河電気工業(5801)

 第3四半期の決算繁忙期が終わり、市場の資金は「来期(2026年度)の成長性」を重視する相場へと大きくシフトし始めている。

 そんな中、力強く高値を更新し続けているセクターがある。半導体と並ぶAIインフラ最大の恩恵銘柄。いわゆる「電線御三家」と呼ばれるフジクラ、住友電気工業、古河電気工業の3社だ。

 生成AIの爆発的な普及に伴い、データセンターの消費電力と発熱量は限界に達しており、従来の銅線ケーブルでは通信速度や熱処理の面で対応できなくなっている。そこで光ファイバーや光通信技術への置き換えが急務となっており、世界トップクラスの技術を持つ日本企業に特需が舞い込んでいるのだ。

 「高値圏で買いづらい」と個人投資家が迷う中、プロはどのような一次データを見て決算を先読みし、強気のポジションを構築しているのだろうか。企業のファンダメンタルズ分析だけでなく、マクロ経済統計を駆使した“ミスプライシングの発掘”に定評のある、fundnoteのファンドマネージャー・神谷悠介氏に話を聞いた。

 みんかぶプレミアム連載「fundnote 川合・神谷の目」

目次

 来期増益率の「ハードルが低い」銘柄を狙え

 日経平均が過去最高の5万8000円を更新。この熱狂の中、高値警戒感から「買いたいけれど買いづらい」と尻込みしてしまう個人投資家は少なくない。そんな現状に対し、神谷氏はこう語る。

「単純に株価のチャートを見て『高値を取ってきたから反動で落ちるんじゃないか』と考えるのではなく、市場の目線はもう来期(2026年度)に移っています。来期予想のEPS(1株当たり純利益)をベースにしたバリュエーションを見た上で、増益率が確からしい会社が選好される流れです」

 その典型例として、神谷氏は電線株の代表銘柄の一つである「古河電工」の収益構造の変化を挙げる。

「例えば古河電工は、第3四半期まで情報通信の分野があまり強くなく、休んでいるような状態でした。しかし、第4四半期の計画自体は非常に強いものになっています。これが来年度に移ると、第1から第3四半期までは『前年のハードル(比較対象となる業績)が低い』中で動けるため、増益率が極めて高く出やすくなります。こうした来期に向けた増益率の高い会社が、今の相場では上へ上へと買われているのです」

 このプロの強気な見立てを裏付けているのが、米国巨大IT企業の動向だ。光ファイバー需要の根幹を握る米国のハイパースケーラー(Google、Microsoft、Amazon、Metaなど)のデータセンター設備投資額は、毎年1月頃に概ね予算が組まれて発表される。すでに「業界全体で3割〜4割伸びて当たり前」という強い需要が数字として確定しており、これは一時的なブームではなく、数年にわたる巨大なインフラ更新サイクルとなっているのだ。

プロは決算をどう先読みする?「出荷統計」から読み解く未来の業績

 では、プロはどのようにして次の決算の数字を予測しているのか。神谷氏が活用しているのが、公的機関が発表する「マクロ統計データ」だ。

「日本電線工業会が毎月出している月次データの中に『光製品の出荷金額』があります。この四半期推移を辿ることで、電線各社の光ファイバー関連の売上高をある程度読むことができます。例えば、直近の10-12月期の結果を見ると、日本電線工業会の出荷統計は『前年同期比+36%』でした」

 驚くべきは、このマクロデータと実際の企業決算のシンクロ率である。足元で発表された10-12月期の決算(情報通信セグメント)を振り返ると、各社の業績は以下のようになっていた。

「これをセグメント売上高で加重平均すると『+35%』となり、電線工業会のデータ(+36%)とほぼ完全に一致しています。海外生産が多いため、データで捕捉できていないものも多くありますが、一番シェアの大きいフジクラの数字などを予測する上で、この統計トレンドは非常に役に立つのです」

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