好きな会社の株を買う!ファンだからできる「応援投資」とは

横川楓
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 自身もさまざまなコンテンツにお金を使ってきた経験を持つ金融教育活動家の横川楓氏は、「その企業のことが大好きなファンだからこそできる投資がある」と話す。その「応援投資」のメリットと注意点について、横川氏が語る。全3回中の3回目。

※本稿は横川楓著『散財さんのお金の増やし方』(三笠書房)から抜粋、再構成したものです。

第1回:まずはPayPayポイントを活用!投資初心者にお勧めの“第一歩”を解説

目次

好きな会社の株を買う「応援投資」

 さて、投資信託よりももう少しだけリスクの高い投資について、紹介したいと思います。

 私の周りには、好きな会社の株式を買うことで応援している人もいます。たとえば、「映画が好きだから東宝の株を買う」「ディズニーランドが好きだからオリエンタルランドの株を買う」といった具合です。

 株を買うという行為は、「稼ぐ」側面ばかりに目を向けられていますが、企業を応援するために行うものでもあります。株主が株を買ったお金を原資に、企業は事業を成長させる。そして、よりよいコンテンツを生み出す。それらが評価され、さらに株を買う人が増え、株価も上がっていく――。こういった循環を回していくことが、企業と株主の理想形です。

 映画を観たりディズニーランドに行ったりする中で、「ひょっとしたらこのすばらしいコンテンツの1億分の1くらいは、私の応援によって生み出されたものでは!?」と思えたら、ファン冥利につきませんか? 

 私自身も、「一生売らないぞ!」という気持ちで、応援の思いを込めて持っている株もあります。

 この記事を読んでくださっている方は、きっと趣味が多かったり、好きなものが多かったりする方も多いはず。そしてそれらのコンテンツは、上場企業が生み出していることも多いと思います。 

 つまり、散財さんほど、そのコンテンツを生み出す企業ごと愛する力があるはずです!

 その散財さんの強みを利用した個別株投資、通称“応援投資”について、考えてみたいと思います。ただし、まず大前提として、個別株の投資では、株の勉強が欠かせません。新NISAで投資信託を買う場合には、「長期的にはおそらく右肩上がりになるだろう」との前提があるため、あまり株式の知識がなくても大丈夫です。

 ですが、個別株は下落リスクが高いので、しっかりと「買いどき」「売りどき」を見極める必要があります。ですから、初心者が始めるべきは、まずは新NISAのつみたて投資枠での積立投資です。そして、「もっといろいろな投資をしてみたい!」と、より投資に興味が出てきた段階で、応援投資を始めてみてください。

自分の好きな企業でなら「プロ」になれるかも

「ハマっているものがある」というのは、投資の観点からすれば「いいタイミングで株を買える(売れる)チャンスが高い」とも言えます。

 どういうことなのか、ご説明します。たとえば、2020年から、世間では新型コロナウイルスが大流行しました。あのとき、旅行業界や外食産業は大ダメージを受けましたよね。株価も軒並み大きく下落しました。

 そんなとき、株価の動きや決算などしか見ていない人は、「この企業は株価が下がってきたな……。今買うのは怖いからやめておこう」と考えるケースが多いと思います。そういう人たちが買い戻すタイミングは、業績が回復してからになりがちです。 

 ですがそこで、その企業のサービスやコンテンツが好きな人であれば、ほかの投資家が買って株価が上がり始めるより前に、「まだ業績としては表れていないけど、明らかにお客さんが増えてきたな……」などと感じ取れるかもしれません。

 あるいはめちゃくちゃ株価が下がってしまったときでも、「でもあの会社はすごくいい会社で、ファンも多い。それなのにただコロナだというだけでこんなに下がっているのだから、むしろ今は買いどきだ!」といった、さらに上級者向けの判断すらできるかもしれません。

 もちろん、無理に売買する必要はありません。「へー、こんな値動きをするんだ」と、気になった企業の株価をただウォッチしておくだけでも十分です。 

 そのうちに、その銘柄の株価の動き方の傾向が、なんとなくつかめるようになってくるかもしれません。ほかの企業の株はまったくわからなくても、自分の好きなものでプロになる。そんな選択肢も面白いのではないでしょうか。

オリエンタル株、どう動いた?

 次に、「あの人気の企業の株価は、あのときどんな動きをしていたのか?」ということを実感してもらいましょう。

 最初に断っておくと、これはあくまで「応援投資とはどういうものか」を紹介するものであって、私がお勧めする株ではありません。

 買うべきなのは、あなたが心底惚れ込める企業の株ですから、私には勧められないのです。

 みんな大好きディズニーランドを応援する、「オリエンタルランド」。「ずっと大人気」のイメージが強いディズニーランドですが、実はこんなに株価が動いているんです!

 2017年には、1250円を下回るときもありました。それが2024年1月には、5700円を超えるタイミングもあったんです。

 もしあなたが2017年の底値のタイミングで資産100万円をすべてオリエンタルランド株に投じ、2024年1月の天井のタイミングで売却したとしたら、どうなっていたでしょうか?

 2017年の時点で、100万円で800株ほど買うことができます(100万円÷1250円)。それを2024年1月に売ると……800株×5700円で456万円!

 わずか6年で、資産が4倍以上の儲けです。ここから税金(約20%)が引かれますが、夢がありますよね!

 一方で、逆のパターンも考えられます。

 仮に2024年の天井で買って、そのまま今も保有しているとしたら、2026年1月では、株価は2900円程度まで落ちているので、資産は半分近くまで減ってしまっています。2024年6月には、東京ディズニーシーに新エリアがオープンして話題になりましたが、それでも株価は右肩下がりでした。

 だからこそ、「肌感覚」が武器になるんです。

 実際にパークに足を運び、その目で見た情報を踏まえ、「ここから株価が上がっていくストーリー」を描いてみてください。

 たとえば、あくまで「一例」ですが、今のディズニーに対して「パーク内の単価は確実に上がっていて、人は減っていない。ということは、今後絶対に業績は伸びていくはずだ!」と思えば買いどきかもしれません。

 しかし、「今はスマホがなくちゃ回れないし、全体的に満足度が下がっていて、来園者の心が離れている。業績はまだ下落する可能性がある」と思えば、買うべきではないでしょう。

 なお、PERは約42倍、PBRは約4.6倍で、割高な水準にあると言えます。

横川楓著『散財さんのお金の増やし方』(三笠書房)

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この記事の著者
横川楓

やさしいお金の専門家・推し活経済評論家。1990年東京生まれ。明治大学法学部卒業後、同大学院へ進学、24歳で経営学修士(MBA)、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。その他、マイナンバー管理アドバイザー、マネーマネジメント検定などの資格も保有する。一般社団法人日本金融教育推進協会代表理事。「誰よりも等身大の目線でわかりやすく」をモットーにお金の知識を啓発、金融教育の普及に取り組みながら、アニメやアイドルなどへの推し活に日々勤しんでいる。著書に、『ミレニアル世代のお金のリアル』(フォレスト出版)、『お金の不安と真剣に向き合ったら人生のモヤモヤがはれました!』(オーバーラップ)がある。

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