もう終わった?いやいや・・・元半導体研究開発者が教える「次に急騰する」AI関連株の見極め方

エヌビディアの株価は2年で10倍を超え、キオクシアは再上場後に急騰、ウエスタンデジタルは1年で80%上昇した。AI相場が生んだ株長者は、この数年で急増した。波はまだ終わっていないのか。次に急騰する銘柄は、どこにあるのか。
「AI関連の需要は川上から川下へと順番に波及していく。GPUが足りなくなれば次はHBM(High Bandwidth Memory…AI向け超高速DRAM)、HBMが枯渇すれば次はフラッシュメモリー、その次はHDD。連鎖の先を読めば、まだ誰も気づいていない次の急騰株が見えてくるんです」
ソニーと東芝(現キオクシア)で計16年、半導体研究開発者として活躍した投資系YouTuber「もふもふ不動産」のもふさんはこう語る。
現場エンジニアの知見を武器に次の急騰株を探し続ける異色の投資家が実践する、AI相場の乗り方とは。連載全2回の第1回。
目次
高市政権に期待するより「お金の流れ」を追え
高市政権が長期化する場合、どんな銘柄を買うべきか。そういった質問をよく受けます。ただ私は、どの政権だから買う、どの政権だから売る、という考え方をしていません。経済がこうすればよくなるという正解は誰にもわからない。投資家として見るべきはただ一つ、お金がどこに流れるかです。
その観点で見ると、まだまだ上がる余地のあるセクターはあります。高市政権が進める金融緩和は円安とインフレを加速させ、株価を押し上げる方向に働く。そのため株式投資全体としてみるとプラスの材料になると考えています。
一方でAIへの投資はこれからも続き、その恩恵を受ける銘柄は次々と出てくると予想しています。AIの半導体への投資はこれからまだ莫大にされると予想されており、乗り遅れたと感じている人にも、チャンスは十分に残っています。
実際、今の日本の街を見ると悲壮感はどこにもありません。スタバには人が溢れ、ランチに1000円以上かける人も珍しくない。株高の含み益で心理的なゆとりが出て、消費も回っている。2003年に社会人になった時の超就職氷河期や、2008年のリーマンショックの頃と比べれば、今ははるかに豊かな時代って感じます。
ただ、この景気の良さが永続するとは限りません。円安で物価は上がり続け、実質賃金はマイナスのまま。日銀は利上げを続けざるを得ない状況です。今、好景気と言われているのにこの状況なので、もし景気が逆回転し始めたとき、その反動は小さくないはずです。そしてインフレしている現在では、現金で持っているだけでは資産は目減りします。インフレを前提にした投資が、今の時代には不可欠なのです。
半導体以外のAI関連株を探せ
AI関連株というと、多くの人がまずエヌビディアやブロードコムといった半導体株を思い浮かべます。ただ、それらはすでに株価に織り込まれていて、今から買っても大きなリターンは期待しにくい。本当においしいのは、AIという巨大な波がまだ誰も気づいていない場所に押し寄せる瞬間です。
AIを開発している企業が百兆円規模の投資をすることは、すでに発表されています。その百兆円はデータセンターの建設、部品の調達、素材の確保と、幅広い産業に流れ込んでいく。半導体はその入り口に過ぎません。素材、装置、インフラ、リサイクル。AIというテーマの裾野は、私たちが想像する以上に広い。しかもその投資は今年だけで終わる話ではない。これから数年にわたって続いていくものです。そこにまだチャンスがあると予想しています。
そしてその波は、まだ多くの企業に届いていません。今は誰も注目していないような地味な会社が、ある日突然AIの恩恵を受ける企業として市場に認識される。そのタイミングで株価が数倍になることは珍しくない。これからAIマネーが流入してくる企業は、まだまだたくさんあります。
大切なのは、有名な銘柄を追いかけることではありません。お金の流れがどこに向かっているかを、自分の頭で考えること。エヌビディアを買い逃したからといって、チャンスが終わったわけではない。むしろ、まだ誰も気づいていない川下の銘柄にこそ、これからの大きなチャンスが眠っています。半導体株が高くて手が出ないと感じている人ほど、視野を広げてみてほしいのです。