やっぱり、そうだったのか!元半導体研究開発者が教える「急騰株」の条件と銘柄

本稿で紹介している個別銘柄:マイクロン・テクノロジー(MU)、ウエスタンデジタル(WDC)、シーゲイト(STX)、荏原製作所(6361)、扶桑化学工業(4368)、日東紡績(3110)
エヌビディアの株価は2年で10倍を超え、キオクシアは再上場後に急騰、ウエスタンデジタルは1年で80%上昇した。AI相場が生んだ株長者は、この数年で急増した。波はまだ終わっていないのか。次に急騰する銘柄は、どこにあるのか。
「AI関連の需要は川上から川下へと順番に波及していく。GPUが足りなくなれば次はHBM、HBMが枯渇すれば次はフラッシュメモリー、その次はHDD。連鎖の先を読めば、まだ誰も気づいていない次の急騰株が見えてくるんです」
ソニーと東芝で計16年、半導体エンジニアとして活躍した投資系YouTuber「もふもふ不動産」のもふさんはこう語る。
現場エンジニアの知見を武器に次の急騰株を探し続ける異色の投資家が実践する、AI相場の乗り方とは。連載全2回の最終回。
目次
「売上2倍×利益率2倍×評価2倍」を探せ
株が大きく動くとき、その背景には必ず業績の変化があります。私が急騰株を探すときに使う計算式があります。売上2倍×利益率2倍×市場評価2倍で、理論上は8倍株になるという考え方です。
たとえば、売り上げ500億円、当期純利益50億円、時価総額500億円の企業があったとします。この企業の利益率は10%で、PERも10倍です。特に特色のない半導体部品を作っていたとします。
AIの爆発的な需要である半導体部品の需要が急増し、売上が2倍になったとします。すると利益も2倍の100億円になります。さらにその部品の利益率も2倍になれば、利益は4倍の200億円になる。さらに今までPER10倍で評価されていた企業が、AI半導体関連銘柄などとみなされてPER(株価収益率)が2倍の20倍の評価になれば、株価は8倍で時価総額も8倍の4000億円になります。
このように、いままで平凡な企業が、何かのきっかけで売り上げ、利益率、市場評価が劇的に良くなる・・・そういう銘柄を追い求めています(2倍でないといけないわけではなく、2倍というのはあくまでイメージです)。
シンプルに見えますが、この3つが同時に起きる状況は、業界が大きく変わるタイミングにしか生まれません。
次の急騰株を見つける「近道」
AI業界では2023年ごろからGPUの需要が爆発的に増えました。エヌビディアの半導体がなければAIの計算ができない。その事実に世界中が気づき、株価は数年で10倍以上になりました。
しかし、GPUだけでは計算できません。GPUにデータを超高速で送り込むHBM(ハイ・バンドウィズ・メモリー)という部品が必要で、GPUの需要が爆発したことで、次にHBMの需要が急増しました。HBMを作れるのは世界でSKハイニックス、マイクロン、サムスンの3社だけ。供給が追いつかず、HBMが枯渇し、これらの株価も大きく跳ね上がりました。
HBMが枯渇すると、今度はフラッシュメモリーも足りなくなると予想できます。AIの学習には膨大なデータを保存する場所が必要で、その需要がフラッシュメモリーに集中した。再上場直後のキオクシアが急騰したのも、まさにこの流れを市場が読んだからです。フラッシュが逼迫すると、次は大容量データの保管先としてHDD(ハードディスク)が不足し始める。爆発的なAIへの投資がさまざまな半導体部品を枯渇させ、そして売愛愛になり価格が上昇し半導体会社の売り上げが急拡大する。これが今お着ている現象です。。
ただ、どこで次の枯渇が起きるかは外から見ただけではわかりません。だから私は業界を分解して分析します。百兆円のAI投資がデータセンターに流れるとき、そのコストの内訳をAIに聞いて細かく分解していく。
半導体一つを作るにも、シリコンウェハー、半導体材料、半導体製造装置、さらに最近は3次元化のトレンドでシリコンを薄く研磨する研磨材や、3次元化の基板となるガラス繊維、など、数えきれないほどの素材や部品が必要です。GPUやHBMの需要が急増すれば、それらを作るための素材や装置の需要も連鎖的に増えていく。まだ市場が気づいていない川下の銘柄の中に、これから需要が急増するものがまだまだある。そこに目を向けることが、次の急騰株を見つける近道です。