地方の物件は価値があるうちに売れ!“負動産”はあなたの人生を詰ませる

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 総資産37億円の事業家でYouTuber「不動産アニキ」としても活躍する小林大祐氏は、「人口減の社会においては、社会構造の大転換が必要だ」と警鐘を鳴らす。またそんな中で人口減少が著しい地方に住む個人に対しては、不動産を早期に売却することを勧めている。小林氏がその真意を語る。全4回中の2回目。

※本稿は小林大祐著『2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略』(KADOKAWA)から抜粋、再構成したものです。

第1回:金利上昇は格差を拡大する…富裕層が“いつの時代でも選ぶ物”とは

第3回:「不動産投資で簡単に儲けられる」はもはや誤り!正しい資産形成のセオリーとは

第4回:本当に儲けている人の不動産投資とは?大損する不動産投資家との違い

目次

能登半島の復旧が長引いた理由

 2024年の元旦に襲った令和6年能登半島地震では、広い範囲にわたって水道管が破損し、被災地は約5か月にもわたる断水を強いられた。ここまで復旧が長引いたのは、水道管の耐震化の不備、要するにインフラが老朽化していたからだ。

 被災地では道路の被害も大きく、緊急車両や復旧関係の車両でさえアクセスしづらい状況が続き、復旧工事は難航した。

 特に被害が深刻だった奥能登エリアは国内でも高齢化率がトップクラスの過疎地で、限界集落も数多くあり、完全に元通りにするのは費用対効果が悪すぎるといわれている。当然のことであるがインフラは作るにも莫大な費用がかかるが、維持していく費用もとてつもない金額が必要だ。

 国土交通省が所管するインフラを対象に、仮に事後保全ではなく、予防保全をした場合でも、約190兆円かかると試算されている。ある程度の人口があり経済圏として機能しているエリアならともかく、限界集落のインフラを維持していく余裕は残念ながら今の日本にはない。

 インフラの老朽化は今後も日本中で加速度的に増加し、災害や事故が起こった際には確実に復旧すら困難なエリアが多発するだろう。

 広い国土の中で、国家が優先的にその経済的基盤を含めた機能を維持しようとするのは、人口が集積するエリアに加えて、「重要な産業基盤を持つ地域」だ。能登半島だって、そこに国家にとって有力な産業が所在していたならば復旧はもっと急ピッチで進んだはずなのだ。

「見捨てる地域」は必ず生まれる

 今後想定される南海トラフ地震や東海地震では、人口密度の低い地域、たとえば四国や和歌山などで、災害時に優先度が低くなる地域が出てくる可能性が高い。

 一方で、三重県のようにコンビナートや工業地帯を有する地域は、エネルギー自給率の低い国家における政策の観点から優先的に復旧・維持していくエリアとなるのは間違いない。

 そもそも日本という国は、たとえるなら「郵便局モデル」で形成されてきた。

 普通郵便の料金やサービスが全国均一であるように、公共サービスや行政機能も全国津々浦々、どれだけ郊外や田舎であっても一定の水準に整えられてきた。

 田中角栄の「日本列島改造論」も「都心に集中する富を地方へ行き渡らせる」という考え方に基づいており、高速道路やインフラを地方の隅々まで張り巡らせて日本の経済成長を根幹から支えてきたわけだ。

 しかし、このモデルが機能したのは、人口が増加し続ける、経済成長の根幹となる消費や税収が人口増加に伴い増加していくという前提があったからだ。

 人口が減少に転じた現在、全国一律のサービスを維持していくのは、「人・モノ・金」のすべての観点から現実的ではなくなっている。すべてのインフラを等しく保守することはもはや不可能であり、「残す地域」と「見捨てる地域」の選別は不可避となるのである。特に過疎地のように人口密度が著しく低い地域では、行政とインフラの合理化は避けることができない。

 実際、一部の自治体で進行しているスマートシティ計画では、住宅や生活に必要な施設を高密度で移動、集約するコンパクトシティ化を目指す取り組みが進んでいる。

 バスやタクシー会社もドライバーの高齢化や人手不足に苦しんでおり、交通の空白化が社会問題化している。その交通空白地帯を埋めるため、自治体主導のライドシェアの取り組みも進む。

「人口が増加し続ける」というこれまでの日本を設計してきた大前提が崩れている以上、社会構造のすべてにおいて、大転換が必要なのだ。

地方の不動産は「価格がついているうちに売れ」

「消滅可能性都市」という言葉を聞いたことがあるだろうか。2040年までに全国の744市町村が「人口減少に伴い自治体としての存続が危うくなる」とされている。

 そのような前提の中、地方のインフラ維持は限界を迎えており、鉄道やバス路線の廃止や学校の廃校、医療機関の閉鎖が後を絶たない。これは、「国が静かに地方を見捨てているという現実」にほかならないのだ。

 こうした変化が最も露骨に表れるのが、不動産価格である。総務省の調査によると、2023年の時点で徳島や和歌山、山梨、鹿児島など6県で、総戸数に占める空き家の割合は2割を超えている。今後はもっと増え続けていくだろう。

 人口が減れば住宅の需要が減り、価格は下がる、その一方で、インフレによる物価上昇により維持費は上昇する。そうなると、人は皆それらの不動産を手放そうとするが、すでに需要減衰による不動産の無価値化が顕在化してしまった地域での不動産は、売却もままならなくなるだろう。

 無価値化した“負動産”を持っていては、資産形成どころか、その避けては通れない経済的負担により人生そのものが詰むリスクがある。

 何も知らない一般層の人々とは違い、富裕層は何年も前からすでに動いている。2025年問題がテレビで取り上げられ、人口減少による地方都市の不動産の無価値化が一般化し、社会問題として顕在化する前から地方物件を手放し、資産を都心や海外に移し始めているのだ。都心部の不動産は価格が下がりにくい安全資産であり、相続税対策としても有効だ。

 もし地方に不動産を持つ人は、価格がついているうちに、1分でも早く出口戦略を検討したほうがいい。すべての地方とは言わないが、大半のエリアではいずれ売り手があふれ、買い手は消え、価格がつかなくなる。

 全力で回避すべきことは値下がりよりも、その不動産が無価値化し現金化できない未来なのだ。

小林大祐著『2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略』(KADOKAWA)

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この記事の著者
小林大祐

1976年生まれ。ホームコンサルティングソリューションズ株式会社代表取締役。大学卒業後、情報通信系企業に就職。関連会社解散後に親会社である富士ゼロックスに転籍。企業戦士となるが、「株式会社は株主のために存在すること」に気づき27歳の時に「兼業」で創業。「金なしコネなし知識なし」の全くのゼロから「総資産37億円」を築く。YouTubeチャンネル「不動産アニキの非常識な投資学」は登録者数10万人を超え、不動産投資を中心に、資産形成の実践的な考え方や国際情勢に対する独自の視点が注目を集めている。

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