「湾岸タワマンを買っている層の大半はサラリーマンではない」「埋立地=悪」は20〜30年しか歴史を知らない証拠だ…ハザードマップ信者が知らない本当に危険な住宅の条件
「湾岸エリアのタワマンはバブルだ」「あんな埋立地は危険だ」――ネット上やSNSでは常にこんな議論が交わされているが、本当に全体像が見えている人はなかなかいないだろう。
では、なぜ湾岸エリアが常に論争の的になるのか、そして家探しで最も勘違いされやすい「ハザードマップの本当の見方」とは。マンションインフルエンサーのあずさ氏が語るーー。短期連載全4回の第2回。
みんかぶプレミアム特集「マンション価格はまだ上がるのか」第7回
目次
湾岸タワマンを買っている層の大半が見据える出口は「給与所得者」ではない
なぜみんな「湾岸バブル」と言いたがるのでしょうか。それは、湾岸は本来(日本の伝統的な)富裕層のエリアではないのに、給与所得者からすると価格が高いからです。実は、湾岸エリアには海外の富裕層が入ってきているため、話がややこしくなっているのです。
もともと日本人の住宅の好みは、江戸時代を通じて生活インフラが充実したエリアのコンパクト住戸(長屋)でしたが、1960~80年代には閑静な住宅街にある戸建てに移りました。道路の騒音があるところにマンションを縦に建てて、後ろの戸建てを守るというのが日本の都市開発のセオリーで、日本のタワマンはどちらかというと庶民向け、あるいは成金という感覚すらありました。
しかし、世界基準で見ると価値観は全く違います。ニューヨークやロンドンでは100年前から、中国でも30年前から高層マンションが建っていました。
日本でタワマンが多く供給された頃、安かったタワマンを高く評価したのは中国人でした。彼らからすると、日本の下町や板状マンションは汚く見え、道が整然としていて空が広く開放的な湾岸のタワマンこそが「街」だったのです。たとえばパークタワー晴海が新築の頃、トレンドは駅近(駅5分以内)で立地重視でしたので、駅遠のわりに高い、周囲に何もない、等と評されていました。それを彼らはこんなきれいな街の立派なタワマンなのに安い、とこぞって購入しました。
彼ら海外富裕層は、いろんな家を持っており、そこに通勤のために住んでいるわけではありません。車を使うため駅近にもこだわりません。日本人富裕層がアメリカで家を買うならハワイの家を買うのと同じ感覚です。普通、日本人にはそのグローバルな視点が見えないため、「地ぐらい(土地の格)的におかしいエリアが上がっている!」と反発してしまうわけです。
実際の湾岸タワマンの購入者の圧倒的多数は日本人ですが、かつての都心距離が近くマンションのスペックが高いわりに安いから購入した給与所得者層から、富裕層日本人も自宅もしくは投資用に所有するようになりました。中国系が多く参入する前の同じタワマン内のオーシャンビューと非オーシャンビューでは1.1~1.3倍程度の価格差しかなかったと記憶しています。おそらくこれが日本人本来のオーシャンビューへの評価です。しかし中国本土では2-3倍のプレミアムがつくので、彼らは1.5倍の差なら安い!とオーシャンビューを好み、そうした出口を日本人も見据えるようになっています。実際の購買者数よりも、影響が大きいわけです。ちなみに韓国人もオーシャンビューを好みます。漢江ビューか否かで、価格が大きく変わります。