追悼・稲盛和夫…名経営者が愛したコンパと従業員の墓…なぜ世界の経営者はその哲学を信奉するか
「フィロソフィー」の大切さを世に伝える
京セラの創業者で同社名誉会長の稲盛和夫氏が24日、老衰のため、京都市伏見区の自宅で亡くなった。
稲盛氏は1932年1月、鹿児島市生まれ。鹿児島大学工学部を卒業後、京都の碍子メーカーに就職した。その後独立して京都セラミツク(現京セラ)の設立に至った。電子部品を次々に開発し、一代で世界的なメーカーに育て上げた。
そんな稲盛氏は会社経営において、「フィロソフィー」の従業員への浸透に重きを置いていた。稲盛氏は2019年7月の「盛和塾」最後の世界大会でこう語っていた。
「従業員にフィロソフィーを説く私のベースにあったのは、何よりみんなに幸せになってほしいという純粋な思いでした。『こういう考え方で生きていけば、充実した幸せな人生を送ることができるはずだ』と強く思っていたからこそ、より多くの人々にそのことを知らせたかったのです」
「よく一般の企業でも、社長室に社是や社訓を書いた額が掲げられています。ところが往々にして、その社長は、書いてあることと全く違ったことを平気でやっているケースがあります。それでは、いくら高邁なフィロソフィーを日頃説かれても、全く共鳴することはできないはずです」
「従業員のために社長が誰よりも苦労している姿ほど、共感を得るものはありません。ですから、会社の中で経営トップが一番苦労しなければなりません。そうすれば、必ず従業員はついてきてくれるものです」