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【漫画】「歩く百科事典」圧倒的読書量と驚異的記憶力…天才少年マスクが身に着けたシンプル習慣

   イーロン・マスクの幼少期の逸話で、妹トスカが「地球と月はどれくらい離れているのかな?」と聞いた瞬間、マスクは近地点(地球と月が最も近くなる位置)と遠地点(地球と月が最も遠くなる位置)を正確に答えられたそうだ。家族からは「百科事典」とあだ名をつけられ、妹は「わからないことは全部天才少年に聞けばいい」とも話していたそう。どのような教育方針で、天才少年は世界を代表する起業家へと育ったのかーー。(第1回/全3回)

※本記事は、桑原晃弥監修・著、ループスプロダクション株式会社著、ちゃぼ(漫画)『マンガでわかる イーロン・マスクの起業と経営』(‎‎standards)より抜粋したものです。

第2回:イーロン・マスク「ロケットをロシアに買いに行ってみた」…SFオタクがロケットの設計図を書いてみたら凄かった

本を読んで知見と意識の幅を広げる

人類を救うことは自分の使命だと捉える

    多くの本を読み、幼いころから地層のように積み重ねてきた知識は、起業をするうえで大切なものとなっている。

    マスクが特に好きだった本のジャンルはSFで、「主人公が世界を救う」ストーリーに心を打たれてきたという。世界のどこかで問題が発生すれば解決に尽力し、迫りくる世界の危機を阻止する──。そんなヒーローたちをたくさんの物語によって知ってきたのだろう。

    先述したように、幼少期は「考え事」に集中するクセがあった。そのためか、SFの世界と現実世界を混同してしまっていた時期もあったというが、そのなかでマスクは「この宇宙における人類の未来を救う」ことを、まるで自分の使命のようにも受け取っていた。

SF作品から人生の意味を見出す

   14歳のとき、「人生の意味や目的を見出せなくなった」ことがあるとマスクは話す。哲学書などさまざまな本を読み漁ったが、結局は自分の好きなSFという原点に立ち返った。そして、数々のSF作品のなかでも『銀河ヒッチハイク・ガイド』の次の一説に特に感銘を受けたという。

  「答えを見つけるより、問題を見つけるほうが難しい」──。この言葉から問題が見つかれば答えを探すのは容易なことであって、何が問題かを理解するためには、人間の意識の範囲と規模を拡大させることが大切だとマスクは考えた。そして、生きる意味があるとすれば、「人類の意識を底上げするために啓蒙し、努力していくこと」だと悟ったのだ。

   そうしてマスクの「人類が生き残っていくうえで何が大切なのか、何が人類の未来に影響を与えるのか」を考える日々が始まった。

夢見たヒーローを体現する

    17歳で母国を離れて大学に進学したマスクは、その後、さまざまな会社を立ち上げた。

2002年には宇宙開発を進める「スペースX」を起業。2004年には100%のEV車を開発する「テスラモーターズ」に出資して会長に就任。2006年には太陽光パネルメーカーの「ソーラーシティ」の立ち上げに尽力した。

    そのほか、2006年には人間の脳とコンピュータをつなぐ技術開発を行う「ニューラリンク」や、真空状態にしたチューブ内に高速車両を走らせるハイパーループ開発を行う「ボーリングカンパニー」を立て続けに立ち上げた。そして、2022年には匿名性SNSを運営する「ツイッター」の全株式を買収している。

    マスクが立ち上げた、または立ち上げに関わった会社は、一見すると何の脈絡もない、派手な事業を行っていると思われがちだが、共通しているのは、「人類の問題を解決する」ことにつながっていることだ。いつしかマスクが読んでいたSF作品の主人公のように、「人類を救出する」という大きなビジョンに向かって、全力で事業を全うすることが徹底されているのだ。

桑原晃弥監修・著、ループスプロダクション株式会社著、ちゃぼ(漫画)『マンガでわかる イーロン・マスクの起業と経営』(‎standards)
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この記事の著者
桑原晃弥

経済・経営ジャーナリスト。1956年、広島県生まれ。慶應義塾大学卒。業界紙記者などを経てフリージャーナリストとして独立。トヨタ式の普及で有名な若松義人氏の会社の顧問として、トヨタ式の実践現場や、大野耐一氏直系のトヨタマンを幅広く取材、トヨタ式の書籍やテキストなどの制作を主導した。また、ウォーレン・バフェットなどの投資家やスティーブ・ジョブズなどの創業者の研究をライフワークとしている。著書に『トヨタだけが知っている早く帰れる働き方』(文響社)、『1分間バフェット』(SBクリエイティブ)、『ウォーレン・バフェットの「仕事と人生を豊かにする8つの哲学」』(KADOKAWA)などがある。

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