7000万円湾岸タワマン、世帯年収1000万円頭金ゼロ「強気ペアローン」40代夫婦の末路…会社で希望退職募集、妻は収入激減
タワーマンション(タワマン)が林立する東京・湾岸エリアで、物件価格の高騰が続いている。だが、資産価値の上昇に喜ぶオーナーが多い一方で、“背伸び” してきたタワマン住民からは悲鳴も聞こえるようになった。羨望(せんぼう)の眼差しも注がれるタワマン住民はなぜ苦悩しているのか。経済アナリストの佐藤健太氏は「結婚時などの勢いで購入した住民は、今後、ライフプランの見直しを余儀なくされる可能性もある」と見る。
湾岸タワマンの恐ろしいばかりの高騰ぶり
バブル期を上回る高価格はいつまで続くのか。不動産経済研究所が4月18日に発表した2022年度の新築マンションは、首都圏(東京・埼玉・千葉・神奈川の1都3県)の平均価格が前年度に比べ8.6%上昇し、6907万円となった。東京23区の新築マンションは17.2%もアップしており、平均9899万円と過去最高を更新している。かつて「億ション」と呼ばれるのは富裕層向けの一部だったが、現在は平均で1億円に迫る。
とりわけ、東京都の江東区や中央区にあるタワマンは人気が高い。中古マンション購入アプリ「カウル」を運営するHousmartが2022年12月に発表した湾岸エリアに建つタワマンの「値上がり率ランキング」を見れば、恐ろしいばかりの高騰ぶりがわかる。
1年前(2021年12月)との対比で平米単価の値上がり率が最も高かったのは、江東区東雲の「ビーコンタワーレジデンス」で、27.17%という数字をたたき出しているのだ。2位は中央区晴海の「ベイサイドタワー晴海」(26.39%)、3位は江東区有明の「シティタワー有明」(23.11%)で、10位の「アップルタワー東京キャナルコート」(江東区東雲)でも13.82%を記録している。
「タワマンに住んでいる」という優越感に浸る住民
上位3位は最寄り駅から徒歩8分以上と少し離れた立地であるものの、子育て施設や商業施設がそろい、生活利便性を重視する人が増加していることが値上がりにつながっているという。4位以下も中央区や江東区の湾岸エリアにあるタワマンは依然高い人気を誇っている。