元秘書が暴露「票は買える」…生活保護受給より楽!30%が無投票・年収1千万副業OK・地方議員になる簡単方法
地方議員は実はおいしい。しかも簡単になれるうえ「報酬は優に1000万円を超える」そうだ。プレミアム特集「人生大逆転の学び直し大全」第6回は、誰でも議員になれる簡単作業を、元政治家秘書で作家の小倉健一氏が解説する――。
地方議員の立候補者数は過去最低を記録
フェイスブック上などで身近な人が政治家になっているのを見て、自分も市区町村の議員になるべく選挙で立候補したいと考える人も多いのではないだろうか。どうすれば政治家になり、そして社会を変えることができるのか。具体的に考えていきたい。
地方議員になることは、生活保護を受給するより簡単な時代になっている。
総務省がまとめたデータによれば、4月に行われた373の町村議会議員選挙には、合計4126人の定員に対して4563人が立候補。立候補者数は前回より212人少なく、過去最低を記録した。また123の町村では定員を超える立候補者がいないため、無投票が発生した。無投票で当選した人数は合わせて1250人で、定員全体の30.3%を占め、総務省の記録がある1951年以降で最高の割合だった。
首都圏でいうと、例えば、勝浦市の市議会議員選挙が無投票だった。
無投票選挙で、届け出だけをして勝浦市議会議員になれば、年間474万7680円の議員報酬と、年間12万円の政務活動費が4年間にわたってもらえる。年間だいたい500万円だから、日本人の平均年収よりも少し多いくらいである。
年間48日出席すれば年収500万円なのに生活保護受給より簡単
それでは地方議会の議員がどの程度の仕事をしているのかというと、2023年3月勝浦市議会定例会会期日程表には、会期は18日間とあり、土日、休会日を除くと、実働は12日間だった。これが年4回あるので、年間計48日間程度働けばよいということになる。ちなみに大相撲の取組日は年間90日なので、相撲取りの半分ぐらいの期間、議会に出席すれば問題はない。特別職なので副業もOK。議員というブランドを利用してビジネスに励む人は意外に多い。
2016年には北九州市の議員が、病気療養で2年以上欠席している間に約3300万円の議員報酬全額を受け取っていたという報道があったことが確認できるので、この年間48日の日程をさらにサボっても問題はないということだ。大騒ぎになったガーシー氏も、当選から半年以上経過してやっと問題視されるようになったのである。政治家とは民間の感覚からずいぶんかけ離れた人たちの集まりだ。
ところで、生活保護を受給する際は、最低生活費が厚生労働省の定める基準を下回っていること証明したり、資産の売却や保険の解約をしないといけない。身内に連絡もされるし、ケースーワーカーに根堀り葉掘り、自分の生活を告白しなくてはいけない。金融機関の調査も受ける。
金欲しさに、とりあえず「議員になりたい」人には…
しかし、地方議員(村議会議員、町議会議員、区議会議員、市議会議員)は、満25歳以上の日本人で、その地域に3カ月以上住んでいればいい。当選を争う意思のない人、すなわち売名などを目的とした無責任な人の立候補を防ぐ目的で、立候補時に預けさせられる「供託金」は、町村議会議員への立候補では必要なくゼロ円、市議会・区議会議員であっても30万~50万円と安価である。なお、この供託金は、無投票であったり、規定の得票数を上回れば、返還される。