竹中平蔵「日本は社員をレイオフできる国になるべき」働かない社員が真っ先対象に…金銭解雇の4つのメリット

みんかぶプレミアム特集「リストラ連鎖」第2弾は、経済学者・竹中平蔵氏の論考だ。日本の構造改革を推し進めてきた張本人である竹中氏は「リストラできない国だから、日本は経済成長できなくなってしまったのだ」という――。
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リストラしづらい国だから、日本は経済成長できないのだ
経済は生産要素を組み合わせることによって付加価値を生み出します。そして主な生産要素は三つあります。「資本」「テクノロジー」「労働力」です。その要素を効率よく使えれば経済全体が発展していきますし、生産性も高まるので労働者の給料も上がっていきます。
抽象的ではありますが、それが経済を回して生活を良くしていく大原則です。その三つの要素の中でも、特に重要なのが「労働力」になります。「資本」も「テクノロジー」もうまく使うのは、人間であり労働力です。この労働力を、生産性の高いところに集中させることが、経済成長においては不可欠です。また、それが個人の給料アップにもつながります。
人間には生まれてくる細胞も、死んでいく細胞もあります。経済にも新陳代謝は必要です。ChatGPT、ブロックチェーンなど、核心的な技術が次々と生まれている昨今。当然、企業や投資家は、既存の収益性の低い事業から、こうした最先端の分野に資本を移動させるでしょう。その時、本来であれば、労働力も一緒に移動して、経済全体の生産性を高めるべきなのですが、それが日本では難しいのです。
日本をもっとリストラしやすい国にすべき
日本企業は終身雇用、年功序列制度に固執しており、雇用の流動性がありません。生産性の低い事業があっても、判例によってそこにいる人たちを解雇できないために、その事業を潰せず、ずるずると古いビジネスモデルのまま継続しています。そんな日本の大企業では、何もしない、”効率的に働かない社員” が発生しています。考え方によっては、働かなくても給料がもらえる社会はユートピアなのかもしれませんが、そんな状態がいつまでも続くわけがありません。