ポケカ転売「命削って月収20万円」の末路…限界転売屋の目の前に謎の組織”転売ロケット団”参上「レイドバトルだ!」

ポケモンカードの転売がネットで問題となっている。強盗事件まで発生した。なぜ大人が、子どもからおもちゃを奪い取るのか。トップ転売屋のX氏が最新裏事情を赤裸々に語る――。
ロレックスよりもポケモンカードのほうが強盗しやすい
「ポケモンカード」のバブルは、膨らみ続けている。過去に「エクストラバトルの日」という公式イベントで配布された「リーリエ」というカードは、状態がよければなんと400万円以上の値段がつくこともある。
今年に入り、カードショップが窃盗被害に遭う事件が多発している。山梨県富士吉田市のショップでは、ショーケースが破壊されて約200万円の被害が出たという。熊本県荒尾市のカードショップでは、約600枚のカードが盗まれ、650万円の被害が出たようだ。どちらもショーケースを破壊して中のカードを盗み出すという荒っぽい手口で、金銭目当ての犯行であることは疑う余地がない。「どうしてもポケモンカードが欲しくて」という感じではなさそうだ。
2023年の5月8日、東京・銀座の「ロレックス」を専門に扱う高級時計店に、白い仮面をつけた男たちが押し入り、ショーケースをたたき割って商品を奪った事件があったが、ロレックスはシリアルナンバー入りで、盗品であることが非常に発覚しやすい商品だ。実際、既に、盗品のリストが業者間では出回っているため、もはや強盗で盗み出したロレックスを捌(さば)くのは非常に困難だろう。
逆にポケモンカードは、シリアルのような商品を特定する仕組みはなく、傷のつき具合などで当該商品かどうかを判断するしかない。怪しい商品があったところで、盗まれたカードと持ち込まれたカードを照合することは現実的に困難だから、捌きやすさで言えばロレックスよりもポケモンカードのほうがターゲットには適しているだろう。
窃盗団が狙うほどポケモンカード市場はおかしな盛り上がりに
先ほど紹介した「リーリエ」は、もう手に入らないカードであることや、通常販売されていないカードであること、キャラ自体の人気が高いこと、PSA10というめったにつかない鑑定機関による最高評価がついていたことなど、さまざまな要因が絡み合っての価格である。だが、希少なカードにこれだけの値段がつくことや、窃盗犯がカードショップを狙うようになったこと自体が、ポケモンカードという市場の人気ぶりを物語っている。