竹中平蔵「日本人は劣化している」ロジカルシンキングができない大卒に絶句…40代、50代が今やるべきこと
プレミアム特集「人生が激変!最強の学び直し」第1回は経済学者の竹中平蔵氏が日本の惨状を憂う。今後日本が再び輝くために、今日本人に必要な意識改革とは何だろうかーー。
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日本人の給料が上がらない当然の理由
今、株が上がっています。日経平均は33年ぶりに3万3000円を突破しました。株があがることはいいことで、企業の業績もあがっています。しかしドルベースでみるとそんな高いわけではありません。ドル建て日経平均は280ドル台まで上がった2021年には遠く及ばず、やっと230ドルを突破したような状況です。日本の経済や日本の企業が海外投資家に「良い」と判断されている面も若干はあるかもしれませんが、そもそも「安いから買っている」という面は否定できません。これは必ずしもポジティブな評価ではありません。
なぜ日本経済はポジティブに評価されないのか。それは今、日本では高い付加価値が生み出せていないからです。これはつまり、GDPが上がっていない、生産性が高まっていないということです。生産性があがれば人々の給料もあがります。それが「活力ある経済で」すが、残念ながらその実現はできていないのです。
その理由の一つに、今の世界を引っ張っている「無形資産」に対する投資が十分行われていないことがあげられます。無形資産には3つのカテゴリーがあり、①コンピューテッドアセット(データベースやソフトウェアなど)、②R&D(研究開発)です。ここまでは日本もそこそこやっているのですが、問題は③エコノミックコンピタンシーが十分に行われていないことです。これは具体的には組織変更・人的資本に対する投資になります。
日本人は「勉強熱心」ではない
日本人は勉強熱心だと思われていますが、実はOECDの先進国において大学進学率は決して高くありません。それに加え、日本人は大学で勉強しなくても卒業できることになってしまっている。これでは人的資本蓄積できません。その分、企業がオン・ザ・ジョブ・トレーニンング(OJT、現任訓練)でこれまで補ってきました。